皮膚科編 No.2

夏のスキンケア

夏のスキンケア サンスクリーン  2006/5/10

面倒くさがり屋ナ−スのブログのフ−ドバイザ−をご覧になりましたか?
タウンでかぶれるおしゃれなフードバイザーがないのか面倒くさがり屋ナースに聞いたら、あきれた表情で顔まで赤くして、そんなのあるわけ無いでしょう、と怒られた。やっぱり無いのかな、残念。

農家のお姉さんやゴルフ場のキャディさんも時々していますね。 紫外線を避けるには、物理的なもの、つまり帽子や衣服や日傘などが一番なんですが、蒸れたり、暑く感じたり、面倒だったりで、なかなか難しいですよね。地面からの照り返しもありますし。

私もアウトドアが好きなので、すぐ焼けてしまいます。しつこく患者様に日焼けしては駄目よと話している手前、日焼け止めを忘れないようにつけたり、なるべく日陰を歩いたりしています。それでもなかなか難しい。中年期にさしかかりどうやらあの憎き肝斑も出てきて、さらに注意しなくてはならないのですが。
先日もわずか1時間くらいですけれど、屋外で立っている時間にまた黒くなってきました。ああ、更年期に入ったんだなあとつくづく嫌になります。

さて、日焼けしないための秘訣は何か。結局「油断しない」に尽きる。いつも日焼け止めを持ち歩く常に陽射しを眼と皮膚で感じて、それに対処する。 う--ん、なかなか楽しい世界ではないなあ。 

一応医者のブログなので、サンスクリーンの一般的な注意を
1、 かぶれやすい人は小範囲で試してから。かぶれは、あなたの皮膚とそのサンスクリーンと紫外線の3者合わせて起こることがあるので、露出部位の小範囲で試す方が良い
2、 最初は平気でも痒みが出たり赤くなったりしたら、使っているものを一度やめてみてね。
(男友達もいっしょでしょ?最初よくても相性が悪くなることがあるのよ。銘柄やクチコミで惑わされないで)
3、 日常生活と屋外の活動をするときを、分けて考えて。レジャ−に出かけるときには、ファンデタイプのSPF値の高いものを、あまりお日様にあたらない日常生活では肌に負担のかからないSPF値の低いもので。
4、 均一に塗ること(白くなるサンスクリ−ンって嫌ですよね。でも白くなる製品の方が一般的には安全です。均一にぬれているかどうか分かりますし)。時間が経ったら塗りなおす(塗り足す)ように。夏なら1日に3−4回塗るつもりで。
5、 紫外線吸収剤のなかには、アレルギ−性のかぶれを起こすものがあります。かぶれやすい人は、紫外線吸収剤の入っているもの(具体的には、オキシベンゾンやシノキサートなど)は避けましょう。蒸し暑くなってくると、寒くて乾燥しているときの、スキンケアとはまた別の注意が必要です。

 
<脂漏性皮膚炎と常在菌 マラセチア>    2006/5/22

身体の中には、色々な微生物がいます。例えば腸管には、大腸菌やらビフィズス菌やら---。ヨーグルトを食べるとビフィズス菌という善玉菌が増えて健康になりますよって話をお聞きになったことがありますでしょ?
生物はいろいろなほかの生物と一緒に共生しています。健康な状態では悪さをしないで、かえってその場所で身体のバランスを保っている微生物を常在菌といいます。 皮膚には、ブドウ球菌やアクネ桿菌などの細菌、カンジダやマラセチアなどの真菌(かび)、ニキビダニなんて虫まで、常在菌として存在しています。これらは、健康な状態では悪さをせず、おとなしくしています。

この初夏の時期になると、皮脂の産生が増えてきます。頭の皮膚が紅くなり、フケが増え、かゆみが出ることはありませんか?
 マラセチアというカビは、本来どこの皮膚にもいる普通のかびなのですが、とても脂を好みます。脂っぽくなるとそのマラセチアがバランスを崩して増えてしまって引き起こされていると考えられています。(細かく言うとマラセチアが原因なのか増悪因子なのかなど、色々議論がありますけれど) 頭皮の脂漏性皮膚炎と言います。

額や鼻、鼻の横辺りが赤くざらついてくることはありませんか?また、生え際に小さいにきびが並んでいませんか?これもどうやら、このマラセチアが増えちゃって、悪さをしているようなんですね。
抗真菌剤という薬(保険適応があるものでは、ニゾラール)を真面目に1日2回塗っていると、かなりざらつきやニキビ(この場合は、マラセチア毛包炎といいます)が良くなります。

えっ?それはニゾラールの抗炎症作用によるんじゃないかって?そうかもしれませんね。でも、抗真菌剤を内服しても効果があるので、カビが大きな原因のひとつではないかと、DR.美夏は思っています。

オイル系の化粧品を使っている方で、脂漏性皮膚炎になっちゃった患者さんって結構おいでです。

額や鼻にざらつきがある人は、こすっちゃだめよ。皮膚のざらざらはこすると悪くなるの。スキンケアを見直してみてね。

薬も化粧品も、「必要充分最小限」が鉄則です。

あっなすびの声が 「必要充分最小限ったって、最小限やってないでしょ?今日ファンデの後にお粉はたきましたあ?お粉が肌をキレイに見せるって、この間も言ったじゃない。面倒くさがっていては、キレイになれないでしょ」 
まずい、退散せねば。 それではまた、ごきげんよう