皮膚科編 No.3

金属アレルギー

<バックル皮膚炎とピアス> 2006/6/24 (ピアスNo.2と同じです)
金属によるアレルギーのある方がいます。
バックル皮膚炎と言って、丁度おへその下くらい、ベルトの金具の当たる位置に強い湿疹がでるのは、たいていの場合ニッケルなどの金属によるアレルギー性の接触皮膚炎です。
リングやネックレス、時計などで金属による接触性皮膚炎が起こる方もいます。この場合、水分があると余計にその金属は皮膚の中にしみとおり易くなりますので、症状が悪くなりやすい。

マニキュアなどのトップコートで金属部分を覆ってしまうと、症状が出なくてすむ場合があります。また、汗をかきやすい時期は、プラスチックやセラミックス、ガラスなどのアクセサリーのほうがいいかしら?前に書いた亜鉛華軟膏が役にたつ場合もあります。

金属アレルギーは、勿論アレルギー素因があって、感作されやすい人がなりやすい。金属にかぎらず、蕁麻疹も出やすいし、花粉症にもなりやすい。
私は、蕁麻疹が最初で、次が花粉症、今の所アトピー(診断基準から言えばやや曖昧ですが)の症状も出てきた。喘息と金属アレルギーは今の所無いかしら。これも、なすびには怒られるけれど、つい面倒くさがって碌にアクセサリーをつけないからね。(おかげでアクセサリーはほとんど持っていない。プレゼントしてくれる人もいないって事かしらん。)

でも、アレルギーは身体の中だけの問題ではない。 虫歯などで口腔内金属が多量に長期間入れてあった人もなりやすい。面倒くさがり屋ナースはニッケルなど、金属のパッチテストをするとかなり強度な反応を示します。彼女のピアスホールも落ち着かず、結局結婚指輪は鼈甲のものを選びました。
内緒ですが、彼女は口腔内金属の数は決して少ない方ではありません。口の中は湿っているので、どうしても少しずつ溶け出してしまいます。また、金属は体内に貯留しやすい。(排泄されにくい)

もともとアレルギーをお持ちの方は、ピアスにしても、穴を開けないアクセサリーにしても、金属を身につけるのは最低限にされたほうが良いように思っています。ましてや、舌にピアスを開けるのはお勧めできません。 ということで、ピアスホールを開けにおいでになる方を診察する第一歩は、アレルギーの素因の有無と口腔内金属の量、金属でかぶれたことがあるかどうかです。
ついでに、金属アレルギーで有名な疾患に掌せき膿疱症という疾患があります。そのうちにまたご紹介しますね。