皮膚科編 No.4

脂漏性皮膚炎 マラセチア

脂漏性皮膚炎と常在菌 2006/05/22
身体の中には、色々な微生物がいます。
例えば腸管には、大腸菌やらビフィズス菌やら---。ヨーグルトを食べるとビフィズス菌という善玉菌が増えて健康になりますよって話をお聞きになったことがありますでしょ? 生物はいろいろなほかの生物と一緒に共生しています。

健康な状態では悪さをしないで、かえってその場所で身体のバランスを保っている微生物を常在菌といいます。
皮膚には、
ブドウ球菌やアクネ桿菌などの細菌、カンジダやマラセチアなどの真菌(かび)、ニキビダニなんて虫まで、常在菌として存在しています。これらは、健康な状態では悪さをせず、おとなしくしています。
この初夏の時期になると、皮脂の産生が増えてきます。頭の皮膚が紅くなり、フケが増え、かゆみが出ることはありませんか?

マラセチアというカビは、本来どこの皮膚にもいる普通のかびなのですが、とても脂を好みます。脂っぽくなるとそのマラセチアがバランスを崩して増えてしまって引き起こされていると考えられています。(細かく言うとマラセチアが原因なのか増悪因子なのかなど、色々議論がありますけれど)
頭皮の脂漏性皮膚炎と言います。

額や鼻、鼻の横辺りが赤くざらついてくることはありませんか?また、生え際に小さいにきびが並んでいませんか?これもどうやら、このマラセチアが増えちゃって、悪さをしているようなんですね。抗真菌剤という薬(保険適応があるものでは、ニゾラール)を真面目に1日2回塗っていると、かなりざらつきやニキビ(この場合は、マラセチア毛包炎といいます)が良くなります。
えっ?それはニゾラールの抗炎症作用によるんじゃないかって?そうかもしれませんね。でも、抗真菌剤を内服しても効果があるので、カビが大きな原因のひとつではないかと、DR.美夏は思っています。

オイル系の化粧品を使っている方で、脂漏性皮膚炎になっちゃった患者さんって結構おいでです。
額や鼻にざらつきがある人は、こすっちゃだめよ。
皮膚のざらざらはこすると悪くなるの。

スキンケアを見直してみてね。 薬も化粧品も、「必要充分最小限」が鉄則です。

あっなすびの声が 「必要充分最小限ったって、最小限やってないでしょ?今日ファンデの後にお粉はたきましたあ?お粉が肌をキレイに見せるって、この間も言ったじゃない。面倒くさがっていては、キレイになれないでしょ」 まずい、退散せねば。 それではまた、ごきげんよう