皮膚科系話題 No.6
ブログからのお引越しです。


痒い

汗で痒くなる人へ 2006/6/10

汗をかくと痒くなる人がいます。私も同じです。

痒い人は、お風呂でこするととても気持ちがよい。大抵の場合、身体にとって気持ちがいいことは、身体にとって良いことなのですが、掻くことは別です。

掻けば掻くほど、痒くなる。こすればこするほど痒くなる。

皮膚の表面は、本来皮脂天然保湿因子という皮膚を潤す物質があります。この皮脂や保湿因子がベールのように皮膚を守っています。温度の高いお湯や長時間のお風呂、こすったり掻いてしまったりすると、この潤いのベールを、自分で取ってしまうことになります。
その下にある角層(垢となって脱落する前の、核がない細胞の層)も、本当は緻密に順序良く並んでいるはずなのに、ぼそぼそになって隙間ができます。
身体を守るバリアが破綻してしまった訳です。

そうなると、環境にある刺激物質 例えばダニやほこりや、種々の化学物質などありとあらゆる外界のものが、身体の内に入りやすくなります。身体の中は、コレは大変と、外界のものを排除しようと身体の中の警察、免疫機構が警備を強化します。(アレルギー反応)
悪循環にはまってしまうのです。

この蒸し暑い日、汗で痒くなったら、低めのシャワーでさらっと身体を流してくださいね。1日1回軽めの固形石鹸を手のひらで泡立てて、優しい手のひらでなでるように、身体を洗ってください。石鹸やボディシャンプーを使うのは1日に1回にしてね。ボディシャンプーは時々脱脂力が強すぎるから気をつけて。香りの高い製品は、リラックスには良いけれど、皮膚の弱い人には向きません。あかすりやナイロンタオル、ブラシは厳禁ですよ。 
痒い人が、皮膚をタオルを使って洗うのは、新車をカネのブラシで洗っているのと同じです。たしかに汚れはおちるでしょう。でもね、傷がついちゃうの。

皮膚は傷がついたら、痒くなるの。汗で痒くなる人は、ぬるめのシャワーを!!
石鹸は1日1回 こすらないで 手のひらでやさしく洗ってね

痒いときにどうしましょう?   2006/6/2

虫刺され、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎や乾皮症(皮脂欠乏性湿疹)など、痒い皮膚の疾患はたくさんあります。

治療の話ではなくて、日常生活の話をします。 皮膚は温まり、皮膚のすぐ下の血管が拡張すると、痒みはさらに強くなります。
そう、冷やすのが一番簡単な痒みを抑える方法です。

お風呂は、シャワーになさって、低い温度で短めアルコール(飲酒)は、さらに痒くなります。顔が赤くならない、身体が火照らない程度に お部屋の温度も低めに、扇風機やうちわも楽になります。 いつも痒くなる時間が決まっている人は、抗アレルギー剤と呼ばれるのみ薬があれば、痒くなる30分から1時間前に飲むというのもいい方法です。

ここが痒いのよって、はっきり分かる場合には、ケーキなどの
保冷剤を冷凍庫に入れておいて、ティッシュにくるんで(しもやけにならないように)、冷やすのもいい方法です。子供は、そのうちに「痒いから冷たいの頂戴」って言うようになります。

子供さんと一緒にお風呂に入るときには、注意が必要です。
子供の体感温度と大人の体感温度には、たぶん2度くらいの差があります。子供が熱いと言っているのに、「あと10数えてね、ひとーつ、ふたーつ---」なんて無理やり暖めないで下さいね。痒い子は、お風呂の後はさらに痒くて辛い。温度計で39-40度でこどもには暖かいの。大人にとって、湯冷めしそうな温度で充分です。

なすびの声がする「
保冷剤のためとか称して、ケーキを買っちゃあ駄目よ。一体何を考えているんだか。ダイエットしているのを忘れたの?」 ああ、痒み対策を書いたばかりに、本日のデザートはケーキになりそうな美夏Dr.でした。