■ほくろ除去
見た目に気になるほくろだけでなく、癌の危険性があるほくろもあります。
メラノーマは悪性黒色腫というほくろの癌です。メラノーマは悪性度が高く、進行していると患者様の半分はそのメラノ−マで亡くなります。ほくろを切除する手術は普通15分くらいで終わります。メラノーマの悪性度が高いことを考慮すると、心配なほくろは切除して細胞を顕微鏡で検査(病理検査といいます)したほうが心配がなくなってよいということになります。
手術の適応は(メラノーマを心配して手術で切除し、細胞の検査をした方がよい場合は)ABCDで説明されます。Asymmetry(対称性が失われている)Border(境界が不鮮明であったり色が周辺にしみ出している)Color(色むらがある)Diameter(直径が6〜7mm以上)加えて最近変化がある(例えば大きくなっている、色に変化がある、出血したなど)。この「ABCD+変化」のような状態であれば、メスでほくろそのものより少し離して大きめにきちんと切除することが望ましいとされています。この基準にあてはまらなければ、見た目にきれいになる方法で取るのがお勧めです。

●削る(炭酸ガスレーザー、電気メス)
炭酸ガスレーザーは水がターゲットのレーザーで、ほくろの細胞を蒸散させます。麻酔のテープを貼って1時間半くらい後ですと、ほぼ痛みなしで施術できます。深さはそのほくろの厚みによって異なります。いったん痂皮が作られ、1〜2週間で傷は治ります。しばらくは赤みや炎症後色素沈着の茶色い色が残ります。下から茶色または黒色のほくろの色が出てきたところで、早めに再照射します。もともと再照射するつもりで傷跡を小さくするために、ぎりぎりで蒸散させているというのがこのやり方の特徴です。最終的に1年経てば色は目立たなくなります。深い部分にまでほくろの細胞があれば、その深さに応じて傷はへこみます。場合によって肥厚性瘢痕といって、出っ張ることもあります。