■脱毛と貧血
貧血の方は爪、皮膚、髪の毛に栄養が行きわたらず、乾燥気味で荒れてきます。 舌の味覚異常、神経障害が出てきます。 多くの方は頭がフラついたり、立ちくらみがあると貧血が有ると誤解しているようですが、これは脳へ行く血液が一過性に不足したためで、低血圧症の方でよく見られます。 本当の意味での貧血は、程度がひどい場合ですと一目見て血の気がないのでわかりますが、多くの人では血液の検査をして始めて貧血と判ることが多いのです。 血液の赤い色はヘモグロビンの鉄の色で、この鉄に酸素が結合して身体の隅々まで代謝に必要な酸素が運ばれるのです。 この鉄が不足すると貧血となりますが、身体の中で鉄はフェリチンのかたちで貯蔵されていて、出血などで貧血になるとこれがヘモグロビン合成に利用されます。 このため、ヘモグロビンは多少の出血があっても一定のレベルを保つことが出来、容易には貧血のレベルには下がりません。 この様な状況では貧血はないがフェリチン値異常に低くなっています。 これは隠れ貧血、あるいは貧血準備状態です。 最近この様な方で毛髪が薄くなり、脱毛が見られると注目されています。

この様な貧血準備状態の方に鉄剤を飲んでいただくと脱毛が改善すると専門医の間では話題になっています。 ただし鉄は過剰に摂ることで重篤な臓器障害を起こしますので、医師による正しい診断と治療が必要です。自己判断でサプリメントとして手軽に摂らないように充分ご注意ください。