■細菌感染症
●とびひ
とびひとは伝染性膿痂疹という黄色ブドウ球菌や連鎖球菌の感染によって起こる皮膚の疾患です。掻(か)きむしった手を介して、水ぶくれ(水疱(すいほう))があっという間に全身へ広がります。火事の火の粉が飛び火することに似ているため、「とびひ」と呼ばれているのだそうです。
 ふつうの市中感染で、薬剤耐性菌(MRSA)の頻度が高くなっています。内服や外用の薬は、スキップしないできちんと使いましょう。薬剤濃度が低くなったときに、もとは耐性菌でなかった場合でも、耐性を誘導しやすくなります。初診のときに(抗生物質の開始まえに)、培養してどんな微生物が起炎菌なのかチェックしておくほうが望ましいと思います。薬の効きが悪かった場合に、変更する薬が選択しやすくなります。