皮膚の常在菌としてのカビは、カンジダとマラセチアが一般的です。どちらのカビ(真菌)も、誰もが持っているものなので、うつしたとかうつされたとかはない。
アトピー性皮膚炎やあせもなどの治療として、ステロイドは安全で欠かせない薬です。わたくしもかなり塗っています。(忙しくて塗らないと、掻いてしまって傷だらけになります。)
高温多湿の時期には、ステロイドは免疫を抑えますので普通にいるカビが時に増えてしまいます。 写真はアトピー性皮膚炎の方の胸です。「何かちょっといつもと違うんです。」 特徴は2mm位のやや赤みがつよい、それぞれの大きさが揃っているニキビのようなものが多発していることにあります。
ちょっと拝見するとニキビのように見えます。さらにステロイドを塗ってしまうと、この赤いふくらみが一挙に増えてしまいます。 マラセチアによるニキビ、マラセチア毛包炎 ですね!!
湿疹の薬を塗っていて、いつもと違う姿になってきたら、主治医を受診してくださいね!!
ハイリスクは、1、10台ー20台の若い人 2、もともとニキビが出来やすい 3、胸や二の腕の外側 4、高温多湿の時期
年配の方や幼少児で、ステロイドの薬が効いていない時には、カンジダかもしれません。表在性カンジダ症の起きやすい場所は乳房の下、わきの下、お腹やモモの付け根、オムツの中などです。
薬の使い方って、本当に大事です。利害得失をよく理解して使いましょう。いたずらに薬の副作用を怖がっても仕方がありません。 メリットとデメリットを天秤にかける事が必要だと思います。病気のままの方が良いのか、リスクを取って少しでも快適な方が良いのか、誰もが自分で選ぶ事が出来ます。
そして、副作用が出ないように、副作用が出たときに早く対処できるように、画像を載せています。
このような副作用が恐ろしいものだから、ステロイドは怖い薬であると考えるのは本末転倒です。痒い事は辛い事、それで掻いてしまうことで皮膚のバリアが壊れますので身体はさらに色々なものに反応するようになります。
早めの治療で病気を重症化させないことが、大事だと思います。