ボトックスによる多汗症治療
汗のシーズンになってきました。
汗をかかないようにする治療で、ボトックス注射というのがあります。腋の下や手のひらなど狭い部分の汗を抑えるのに、傷が出来ず、とてもよい治療です。ボトックスは、神経末端でアセチルコリンという物質を放出するところを阻害する薬です。顔のお皺を寄せない(表情筋をブロックする)のに、一番使われています。エクリン汗腺にも働いて、汗の量を減らすのにも普通の治療になりました。
汗でとても悩んでいる方が、年に1回今の時期に注射して秋まで快適に過ごすのには、悪くないと思っています。
ボトックスで代償性発汗
人の身体って面白いなと思う事があります。汗をかかないために胸腔鏡下(つまりファイバー、内視鏡)に交感神経節ブロックをするという方法があります。麻酔科や胸部外科で治療しているところがあるようです。これが、その部分の汗をかかないように治療すると、他の部位から(例えば身体の下1/2から)たくさん汗をかくそうだ。代償性発汗という。
私のところで、多汗症でボトックス注射をした方の中で、片方ずつ注射しないと、他の部分の汗が増えるとおっしゃる方がおいでです。代償性発汗が気になる方はそのお一人のみです。多分、ボトックスで汗を止める面積は狭いからなのでしょう。他の方からはそのようなお話は伺った事がありません。
汗の治療でも、身体全体のバランスを考えなくちゃと、最近東洋医学的発想にはまっているDR.美夏でした。
書き終わる頃になると、ここにいないはずのなすびの声が聞こえる「ボトックスは努力がいらないからねえ。でも、努力しなけりゃ駄目なのよ。今日はファンデの後のお粉さぼったでしょう。化粧崩れしているよ。」
ボトックスを打つ時の手順そうそう、多汗症のボトックス治療では、1cm間隔くらいでたくさんの場所に注射をします。痛がり屋の方は、早めにおいでになって、麻酔のクリームを塗りサランラップして1時間待って、その上でキンキンに冷やして打たせていただいています。時間に余裕を持ってきてくださいね。
そう、冷やすのって痒みにも効きますが、痛みを抑えるのにもとっても有効です。
どこからか声が「痛み対策はやけに熱心なんだから」さて、退散せねば。ごきげんよう
2006.06.05 jugemに掲載した記事の再掲です。焼き直しですみません。
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