埋没法による二重を断面図で示してみました。
私は、札幌の武藤靖雄先生に教えて頂いた瞼板の直上、腱膜の間に固定する方法をとっています。
薄い瞼では、眼窩脂肪のある位置が上の方なので、はずれにくい。
幅の広い瞼を作ろうとして上の方に糸をかけると、眼窩脂肪を挟み込んでしまいます。上の方から眼窩脂肪の重みが糸にかかり、結んだ糸の力では支えきれなくなって、はずれてしまう。
厚みのある瞼では、重瞼ラインの上にぼてっとした重みが残ることが、図から一目瞭然です
右の様に奥二重にすれば、埋没法でも良いかもしれません。
手術をしたあと、大抵の場合最初に止めた二重のラインから少しずつ移動して、その人の瞼にあったラインに落ち着きます。力学的なバランスに合ったラインがお好みでなければ、切開法が必要になります。
眼科の先生から、他の施設で手術なさった「埋没糸が結膜(眼球に接するところ)に露出して、角膜に傷ができてます。抜いて下さい」と時々頼まれます。透明な糸で縫ってあると、見つけ出すのに本当に苦労します。糸に色がついていると、瞼の皮膚が薄いと透けて見えてしまうことがある。それでも大抵の形成外科医は、トラブルがあったときにちゃんと抜糸できるように、青または黒ナイロンを使って手術していると思います。