佐藤美喜さんのピアノリサイタルのご案内です。
東京文化会館のリサイタルは3回目。美喜さんは桐朋学園大学音楽学部演奏学部ピアノ専攻を卒業後、イタリアのキジアーナ音楽院やジュリアードのシャーマン先生に師事なさって、桐朋の講師やソロ、室内楽、伴奏など広いレパートリーで活躍中です。
佐藤美喜さんとのお付き合いは、ピアノをようやく購入し水村香苗さんにレッスンをしていただくようになった6-7年前からです。とても素敵な香苗さんの一番弟子なの。すごくダイナミックなピアノ演奏をなさり、プロフェッショナルだなあっていつも圧倒されています。リストやスクリャービン、ベートーベンの難しいダイナミックな曲の魅力を伝えてくれる演奏をなさいます。その反面、可愛らしい音の玉手箱のような曲も素敵です。同じ香苗さんの弟子と申し上げるのには憚りがあります。(畏れながらも一番出来が悪く、図々しい末弟子が私です。)
今回の目玉は、リストの「ドン・ジョバンニの回想」です。モーツァルトのオペラ ドン・ジョバンニを下敷きにリストが編曲した作品です。ピティナのページでは、この曲のことを「跳躍し、連続するオクターブ、めまぐるしく動き回る音階、圧倒的な音響など、難曲中の難曲ともいえるヴィルティオーゾ作品である。たたみかけるように繰り広げられる名人芸は、まさに見物である。」と書かれています。名人芸が要求されるの。でもその中には、耳に親しいツェルリーナの可愛いテーマや騎士長の重々しいテーマ、シャンパンのテーマが出てきて、私はいつも楽しくなってしまいます。7オクターブ半を所狭しと手指が動き回り、そのなかをモーツアルトの可愛らしい優美なテーマが聞こえてきて、うっとりしてしまいます。
もう一つの目玉で最後の曲集が、ショパンの前奏曲です。美喜さんの十八番。すべての長調短調を網羅された曲集です。優しい明るい曲から、暗い情熱的な曲まで、さまざまなスタイルです。雨だれはどなたでもお聞きになったことがあると思います。ジョルジュ・サンドとの恋愛の始まりの頃、マヨルカ島に出かけた時に作られたとか、もうちょっと前だよっていう話もあります。「ショパン 愛と哀しみの旋律」という映画をご覧になった人も多いと思います。胸が締め付けられる映画でした。 私はショパンの抒情的な曲も好きですが、理知的に制御を聞かせ、なお美しい前奏曲が大好きです。何回も美喜さんの前奏曲を聞かせていただいていますが、今回はどんな前奏曲になるのか、本当に楽しみです。
そのほかのプログラムとしては、ショスタコービッチの人形の踊り、前奏曲、リストの忘れられたワルツ、森のささやき。 アンコールも内緒ですが、凄く素敵なの
美夏クリニックでも、パンフレットとチケットをお預かりしています。5月22日午後7時開演 東京文化会館小ホールです。ぜひいらしてください。素敵な一夜をお約束します。