蒸し暑くなってくると、寒くて乾燥しているときの、スキンケアとはまた別の注意が必要です。
亜鉛華軟膏って知っていますか?白い粘土のような軟膏です。この薬は、皮膚の表面でベールのように皮膚を保護します。どちらかというと、乾かすタイプの薬です。
これからの時期に、汗のたまりやすい肘やひざの内側、赤ちゃんの腿のつけねや首など皮膚と皮膚がくっつくところに、広く薄く塗っておきますと、あせもの予防になります。
また、赤ちゃんの便がゆるいときに、肛門周囲に広く厚めにぬりますと、オムツかぶれもしにくくなります。お腹の調子が悪くなって、お尻まわりがかぶれたときには、優しく洗い、タオルを押し当てるようにして水気をとり、広く亜鉛華軟膏を塗ります。
急に湿疹が悪くなったときに、薬を塗って、その上にリント布などに亜鉛華軟膏を塗ってかぶせることを、密閉療法といいます。薬の効きをよくするための、ひとつのテクニックです。
また、炎症を抑える作用痒みを抑える作用があり、皮膚の治癒能力を引き出すのには、もってこいの薬です。
乾きやすいお子さんだと、その亜鉛華軟膏にプロペトというワセリンの精製されたものを混ぜますと、保湿と保護と両方の役割が果たせますので、重宝します。(混合製剤は不安定なので、長持ちはしませんけれどね。)
このようなシンプルなお薬の基材(薬を溶かし込むベース)を、スキンケアで使うことは、余分なものが入っておらず、かぶれる可能性が低く、私は使いやすいものだと思っています。プロペトも亜鉛華軟膏も処方薬で、ありふれた薬です。
大人も子供も、丁度今の時期を境に、冬のケアから夏のケアに変わってゆきます。皮膚になにかトラブルがある方は、一度皮膚科にかかりましょう。