手のあかぎれやささくれに
最近家事労働が増えたせいか、手の爪の周りがささくれやあかぎれで痛むことがあります。誰ですか?美夏DR.はきっと録に家事はしていない何て言うのは!!
確かにあまり誉められるほど家事はしていないかもしれません。
手あれから来る湿疹や傷は、勿論悪化因子(つまり家事)を取り除くことが出来れば、早く治るわけですが、そういかないのが世の常です。
手あれは刺激による接触性皮膚炎(かぶれ)であることが多いので、保湿をしっかりして、その上でステロイドの外用という治療が良く行われます。でも薬をぬっても痛いものは痛い。
私は状況によりますが、ステロイドテープ(ドレニゾンテープとかエクラーテープなど)をよく処方します。手は働き者なので、薬を塗ってもすぐ取れてしまいます。勿論テープもすぐはがれてしまう場合がありますけれど。爪の周囲に限らずあかぎれやささくれにはテープを使うことによって、痛みが軽くなりますし、刺激の強いものが直接触れることを避けることが出来ます。
テープをすることによるデメリットは、
1、汗をかく時期はドロドロになることがある。
2、ステロイドを密閉するわけなので、もし黄色ブドウ球菌など常在菌のなかでも膿みやすい細菌があれば、感染したり、ひょうそを起こしたりするかもしれない。
3、続けて使用することで、カンジダ性爪周囲炎を起こすかもしれない が考えられます。皮膚科医の中でも密閉することに否定的な方はおいでです。幸い2や3のようなトラブルは私が拝見している中ではおられません。
またそのテープをハイドロコロイドという創傷被覆剤でしてみるという手もあります。市販されているものでは、ジョンソンアンドジョンソンのキズパワーパッドです。普通のドラッグストアで販売されています。
使い分けは、傷の要素が強いときにはハイドロコロイド。湿疹(かぶれ)の要素が強いときにはステロイドテープによる密閉療法と思っています。
貼っていて周辺を含め赤くなる、腫れてくる、痛くなるときには受診が必要です。
傷の治療では、傷を洗う、消毒しない、湿潤環境におくの3点が重要であると最近強調されています。私も賛成です。次のウェブサイトは量が膨大ですけれど、重要な内容が書かれています。
http://www.wound-treatment.jp/
私も前にブログで書かせていただいたことがあります。
http://www.mika-clinic.com/invitation/blog_plastic1.html
ステロイドテープを貼ることは、ステロイド密閉療法といい、湿潤療法とは元々異なる概念かもしれません。密閉すると薬のしみこみが良いというのが、密閉療法ですからね。
でも自分で痛いときには、このステロイド密閉療法が楽で早く治るので楽だなあと思っています。
今朝から指が痛くて嫌だなあと思っていたので、つい書いてしまいました。
posted at 2007/01/31 18:37 | kojitomika |
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