高山病はヒマラヤや、日本では富士山登山など高い山で起こるものと思いがちです。でも、2000メートル程度の高地でも起こります。
一昨年スキーで滋賀高原を訪れた時です。グングン高度を上げていったバスから降り、休むまもなく勇んでゴンドラに乗り、焼額山のゲレンデに立ちました。船酔いのような気分と、軽い頭痛を覚えました。
初めは、長距離バスで疲れたんだろうと思い、不快を感じながらも滑っていましたが、そのうち頭痛はひどくなり、お腹の調子もおかしくなり始めました。
いつもはスキーでは人の2―3倍は滑りまくります。この日はさすがに早々と切り上げ、ホテルで寝込んでしまいました。 翌朝は、前日の不快な気分、頭痛も無く、快調にスキー三昧楽しむ事が出来ました。
考えて見ますと、焼額山は2000メートルあり、バスは一気に1500メートル以上に高度を上げた直後の出来事だった事、自分の年齢、釣り船ではいつも船酔いで船底に寝込んでいる事などを総合的に考えると、高山病だったと思います。
先週、八ヶ岳の北横岳に登ろうとピラタスロープウエイに乗って2200メートルまで上がり、そこから徒歩での登りでした。歳を考えてもそれ以上に疲れやすく、15分歩いては一休みの連続でした。 頂上まであと10分の地点で同行者が頭痛を訴え始めたため、高山病の前触れと判断し、潔く下山する事にしました。
私は頭痛を覚えませんでしたが、手が腫れぼったくなり、翌日東京に帰って腫れが引き始めました。 これも、高山病の一つの症状なのだと思います。
二つの出来事はどちらも軽症の高山病です。2000メートル程度の山でも高山病になることの良い体験でした。 高山病になった時は高度を500メートル以上降ることで、症状は軽快します。また、一気に高度を上げることなくゆっくりと高度に体を慣らしながら登ることも大切な事のようです。 高山病になりやすい体質もあり、この様な人は予防的にダイアモックスを服用するのもよいかもしれません。 特に、アンデスやヒマラヤの旅行時には予防薬として持参する事をお勧めします。
高山病では重症になり、手当てが遅いときには死亡する事もあります。 現在は観光としてハイヒールで3000メートルまで行ける時代ですが、高所では高山病に充分注意したいものです。
高山病とは何か
1、高所で空気中の酸素濃度が低下することによって起こる
2、最初の症状は、頭痛、吐き気、むくみ、胸の圧迫感
3、症状が進むと、ひどい頭痛、発熱、下痢嘔吐、尿量減少など
4、さらには、肺水腫や脳浮腫などで死亡するときもある
高山病にかからないためには、ゆっくり登る、少しずつ身体を慣らす、症状が出たらためらわずに下山する、水分を充分摂取する。 標高が高いほどリスクは大きくなりますが、個人個人によって条件は異なります。トレッキングなどでも充分注意してください。