注射を直接脇の皮膚にして、汗をかかないようにするという治療です。
パースピレックスという汗で流れない塗る薬もあります。こちらも通常は5000円なのですが、4000円です。手足の多汗症にも良いですよ。
注射の前に麻酔のクリームを塗ってサランラップをして30分、痛みに弱くて心配な方には、さらにご希望で冷却しながら注射していきます。涙を流している患者さんを拝見してから、麻酔なしで注射したことはありません。
薬の効いている期間は大体注射後1週間後から3-4か月です。しっかり入れて半年は大丈夫と言っておられる患者さんもいます。今から秋まで効いていると良いと思っています。ボトックスはとても良いお薬です。ボトックスに対するアレルギーを個人が獲得して効かなくなってしまうと、以降ボトックスが効かなくなってとても悲しいの。多汗症では必要なボトックス量が多めですから、大事に使いたいと思っています。麻酔のクリームは1000-1500円+Taxです。
ボトックスについての注意事項を再度書いておきますね
1、血清アルブミンが入っています。加熱はされていますので、肝炎やエイズなどの血液を介してうつるウイルス性疾患については安全です。クロイツフェルトヤコブや今は分かっていなくても他に加熱によっても死滅せず血液を介してうつる疾患があれば、安全であるとは言いきれません。
2、多めの量を頻回に注入していると、ボトックスを効かなくする抗体を自分自身が作ってしまう場合があります。そうなるとボトックスの恩恵が受けられなくなります。抗体を作らないためには、途中でボトックスを追加したり、必要以上に注射するのは避けた方が良いと思っています。アレルゲンーこの場合ボトックスーの量が多かったり、注入の機会が多いほど、そして本人がアレルギーを起こしやすい体質であるほど、抗体を作りやすい。
3、代償性発汗 他の部分の汗が増える場合があります。交感神経節ブロックなどにくらべ、汗を抑える面積は脇だけで小範囲なので、お困りになる患者さんは滅多におられません。いずれにしてもボトックスの効果が切れてしまえば、代償性発汗もおさまります。(こういう一時的な治療って、良い結果も悪い結果もなくなってしまう。その分安心とも言えます)