メソリフト
ヒアルロン酸注入という手技が日本で普及してきて、およそ5年になります。コラーゲンより持ち上げる力が強く、長持ちするということで、始まった。アメリカで狂牛病が出て、牛由来であったコラーゲンがすたれ、その勢いもあって広まったという印象があります。古い話ですが、開業したての5年前に、CAZという雑誌でヒアルロン酸注入をしているクリニックとして紹介していただきました。たしか牛コラーゲンの乳白色の色が、時に皮膚から透けて見えるのが、嫌だなあと思って導入したのでした。
もっぱらスウェーデンのQメド社の製品を使ってきました。比較的持ち上げる力は強く、浅めに注入すると少量でもかなりの効果が出せます。ただ、どうもごつごつしやすく、注入時にかなり気をつけていても、多少の凹凸が残りやすいのが欠点でした。
最近出てきたヒアルロン酸は、極めて滑らかです。サージダームだとかカプチークだとかエセリスだとかーーー。注入時に力を入れなくてもふんわり入り、自然な仕上がり。でもふわっと入れているうちに、あっという間に1本くらいはなくなっちゃう。
それも、微妙に深さを調整することで、結構カバーできます。製剤ごとの特性を理解し、使い慣れると綺麗な結果が得られます。
サージダームは扱いやすい製品です。注入したときに丁度よい量で入れると直後は膨らんで見える場合があるようで、持ち上げる力はかなりのものです。
このサージダームはフランスのコーネル社というところの製品です。残念ながらまだFDAの承認がとれていない。アメリカのFDA承認には時間がかかるんですね。サージダームはかなり分子量などで種類があります。ニーズに合わせて選択できるのがメリットです。
メソリフトに使うヒアルロン酸はサージダームのなかのサージリフトという製品です。これは、真皮の中に細かくメソセラピーとして注入していきます。従来のように皮膚を持ち上げる効果を狙うというより、ヒアルロン酸が周囲から水を引き寄せる力を利用して、皮膚をふっくらさせる、小さなおしわを目立たなくさせるための、スキンケアの1種と考えた方がよい。前回のアンチエイジングの話のなかでは、浅い層への治療になります。
同じ手技を、ビタミン剤を入れてやるやり方もあります。皮膚のくすみが気になる方には良い治療だと思います。
http://www.mika-clinic.com/kamoku/geka02_b.html
美夏Dr.「なすびは何飲んでいるの?」
なすび「セラミドよ。」
美夏DR.「セラミドってあの天然皮膚保湿因子ってやつ?飲んでどうするの?胃の中で胃酸でみんな分解されちゃうでしょうに。違うの?」
なすび「まあヒアルロン酸の化粧品を皮膚に塗るって言うのと大して変わらないねえ。」
美夏Dr.「ふーん、セラミドが胃粘膜を保護するって言うの?」
なすび「まーさか!! すっぴん美人!あなたの生活を潤いで包みますだってよ。」
Nsなすび「話をもとに戻そうよ。ヒアルロン酸を塗るだけでは、皮膚そのものには入らないから、メソで入れようっていうのがコンセプトだよね。じゃあ、剣山で皮膚に穴開けてヒアルロン酸塗れば良いじゃん。メソやったあと、浮き出てきた溶液摺りこんでるでしょ?」
美夏Dr.「皮膚に薬をつかうって治療は、結局皮膚のバリアをいかにして超えるかってことでしょ?
皮膚は外の環境から皮膚を守って、外のものを入れないようにしている。それを例えばイオン導入だって、イオン化した物質ー多くはビタミンーを塗って、電流流して電位差で深くいれようって目的でされている。
メソリフトのヒアルロン酸だって、直接注射でいれようとしている。いかにバリアを越すかなのよ。しかも入れたいターゲットは真皮。ひとつひとつ深くにいれるのでは、ターゲットより深すぎる。
でも美夏Dr.も、もう少し良い手技が早晩出てくるような気がしているの。
バリアを超えて薬を浸透させるということから言えば、drug delivery systemという研究が盛んになされている。ナノテクっていうのも同じよ。粒子を細かくするとか、カプセル化するとか。
薄毛脱毛症の治療でそれこそ剣山みたいなので皮膚に穴あけて薬をいれるっていう治療をしているクリニックあるよ。だけどあのふとい針の剣山より30Gとか32Gとか、すごっく細い針で直接入れるほうが、皮膚にダメージ与えないでしょ?」
posted at 2006/07/22 20:26 | kojitomika |
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