レーザー治療は、盛り上がりのない日光色素斑(老人性色素斑)やそばかす(雀卵斑)などには、1回の治療ですみ、スタンダード治療です。
治療の欠点は
1、テープを10日間貼っておく必要がある。(施設によってはガーゼで覆うところもあります)
2、炎症後色素沈着(レーザー焼け)といって、痂皮がとれた後一度黒ずむ期間がある
の2点だと思います。
前回お見せした従妹の左の頬です。照射前の写真が見当たらず、お見せできないのが申し訳ありません。照射して1月半後に撮影した炎症後色素沈着の様子です。
結構黒ずんでいます。多分もともとのしみよりかなり黒くなっていると思います。その半年後です。
だいぶ薄くなりました。
炎症後色素沈着はどういう場合に起このるか
1、皮膚の性質ーーーヤケドや切り傷で色の残りやすい人と残りにくい人がいるように、炎症後色素沈着が起こりやすい皮膚の性質をお持ちの方がいます。
2、術後経過ーーー痂皮で下の新しい皮膚が覆われている期間が長いほど、炎症後色素沈着は起きにくい。テープが途中で剥がれてしまった、掻いてしまったなど、治る過程に問題があるとおきやすい。
3、照射のパワーが高かったーーーパワーがぎりぎりだと、残ってしまう場合があります。それで強めの照射をすると取れない確率は下がりますが、炎症後色素沈着の確率は高くなります。
炎症後色素沈着を防ぐ方法はあるのか
1、照射したあとのケアは充分に丁寧に施行する(特に痂皮は長く大事にして、なるべく剥がさない)
2、ハイドロキノンを照射1月前から1日2回塗っておく
3、照射後イオン導入をしてビタミンCを補給する
4、トレチノイン療法をする
レーザー照射をした後半分の患者さんは、炎症後色素沈着が起こります。この私の従妹のように黒くなる方はそんなに多くはありません。印象では10%くらいかしら?
でももっと薄かったり、早く治ったりする炎症後色素沈着を含めると、統計上50%の人には起こるものです。
半年から1年すると、炎症後色素沈着は治ってしみのない肌になります。炎症後色素沈着のある間は、紫外線にあたらないこと、皮膚をこすらないことが必要です。