ゼオスキンヘルス セラピューティック (Nu-derm というオバジのクリームプログラム)のお話を書きましたところ、いくつかコメントを頂戴しました。 わたくしの考え方 をお話します。他の医師やオバジ先生とは違うかもしれません。お含み置きくださいね。
1、肝斑にたいしての効果
紫外線に当たらないように気を付けていれば、肝斑も取れます。 ただ肝斑って皮膚に出る症状ですけれど、皮膚の疾患というよりも、身体のホルモンの状態が皮膚に映ったものだと思います。 再発しやすいので、メンテナンスが必要です。
この写真は、美夏クリニックのナースです。彼女は以前アポロンさんと同じ場所に肝斑があった。ゼオスキンヘルスのnu-derm programを施行し、私のところへ9か月くらい前に来てくれた時には、すでに肝斑はなかった。 彼女は肝斑が再発してくると、そのときにnu-dermをトレチノイン量やハイドロキノン量を状況に応じて使用しています。
トレチノイン療法の方が肝斑の悪化や治療目的の肝斑がとれない患者さんが多いと感じています。なぜか?多分 ゼオスキンヘルス Nu-dermは、トレチノインもハイドロキノンも使用量が数倍です。だから皮膚は1日に2回剥ける感じ。トレチノイン療法では週に2回くらい剥ける。ちょうど、ブルドーザーみたいに皮膚の状態を改善するので、誤差や多少のトラブルに左右されないのでしょうね。
2、口の周りがなぜ剥けるのか
口の周りが、薬剤の吸収がよいとか強く作用する訳ではありません。お話したり食べたりするのに、口の周りはとてもよく動きます。動くところは地震のときの地割れみたいにひびが入ります。それでが動きとともに下層との接着ゆるんで剥け易いのだと思います。
同じ種類のしみであれば上口唇よりも、頬のしみのほうが、取れるのが早い。理由は頬の方が薬の吸収が良いからだと思います。
3、ロングパルスヤグレーザー照射の時期はいつが良いのか
創傷治癒機転から考えれば、トレチノインで新陳代謝が更新し、ハイドロキノンでがっちり炎症後色素沈着が抑えられる2クール7週目からが良い。 でもね、赤ってヘモグロビンの赤でしょう?赤い場所の血管の太さ、深さ、血の流れる速度によって結構レーザー照射の結果が違いますよね。大体数回照射する必要があります。 もともと血管が表面から見えているならば、わたくしは2-3週目であっても照射を始めます。
治療によって出現する赤みを消すために使うならば、2クールめの途中からがお勧めです。
4、もともとお顔の赤みが強い人にゼオスキンヘルス セラピューティックお勧めするかーーフォトフェイシャルファーストの結果が出にくい肝斑と炎症後色素沈着であればお勧めします。
5、トレチノインの感受性は人によってかなり違います
「すべての薬剤の感受性は人によって異なります。」 でもトレチノインやディフェリンのようなビタミンAの薬剤では、特に感受性が人によって異なるように感じています。
だから少々のディフェリンでまっかっかな方から、トレチノイン療法0.4%のトレチノインやobaji nu-dermでも反応が弱くて白い人もいる。
この赤みや乾燥、剥けなどの副反応は主作用の強さとパラレルです。だから、症状を見てプログラムの進み方を決めるのが正しいやり方で、グラム数で決めるのは補助的手段だろうと感じています。
ツムラの小柴湖湯加桔梗石膏などを処方すると、とても副反応が楽になります。 109は消炎の処方。でも炎症を抑えることで、結果が良くなるという理由を私は思いつきません。起こり得る炎症はみな起こしてしまう方が結果がよいと思っています。
つまり、サーマクールだろうがハッピーリフトだろうが、炎症をわざわざ起こしてタイトニングしてるでしょって事です。
「さくらさく」様の皮膚は拝見していませんので、適当な事は言えません。でも 治療の進行速度を決めているのは、トレチノイン量とエクスフォダームにはいっているピーリング剤の量だと思いますよ。
ちょっといつもより理屈っぽかったですね。ごめんなさい。