レーザー治療による炎症後色素沈着
季節柄なのか、このブログやHP、パンフレットのためなのか、しみ治療の患者さまの数が増えてきています。
しみ治療のポイントは炎症後色素沈着の時期をいかにして乗り越えるかです
レーザー治療では、照射した後痂皮(かさぶた)がとれてそのまましみのない肌になる場合もあります。しかし、統計学的にはおよそ半分の方ではその後一端黒ずむ時期があります。炎症後色素沈着とかレーザー焼けと言います。炎症後色素沈着が来ても、通常半年から1年経てば、しみのない肌になるはずです。
この炎症後色素沈着の時期に、そのレーザー照射部位に紫外線があたってしまったり、気にしてこすってしまったりすると、この黒ずみが取れないことがあります。
この炎症後色素沈着の時期は、先ほど申しましたように、紫外線を避けること、こすらないこと(摩擦の力を加えないこと)が重要です。
炎症後色素沈着もかなり真っ黒になる場合もあれば、わずかに周囲と色の差が出る場合などさまざまです。その炎症後色素沈着の期間を短くし、黒ずみの程度軽くするために、ハイドロキノンという漂白剤を塗布する、ビタミンのイオン導入をする、トレチノイン療法をするなどの治療をする場合があります。どちらかと言うとご希望でなさっているクリニックが多いと思います。
これからの季節は、同じようなスキンケアをしていても、紫外線量が少ない、日照時間が短い、日焼けどめが汗などで流れにくい分だけ、炎症後色素沈着の期間に悪化する要因を減らすことが出来ます。
しみの治療は、トレチノインとハイドロキノンを塗る治療をなさるにしても、レーザーの照射をするにしても、半年から1年がかりです。しみの治療をなさるには良い時期が来たと言えると思います。
なすびNs. 「そういえば、レーザー治療って夏の間は全然やっていなかったよね。」
美夏Dr. 「だって同じことをしても、春から夏の間に照射すると、どうしても炎症後色素沈着の時期が長いし、黒くなる確率が高いもの。わざわざ治療のリスクを高めることは、医者はやらないよね。」
なすびNs. 「炎症後色素沈着を避けるための方法ってないのかな?」
美夏Dr. 「レーザーの照射のまえに、ハイドロキノンを1日2回1月前後塗っておくと良いとされているよ。そうしても、起こる人は起こるけれど。」
なすびNs. 「ビタミンCのイオン導入は?」
美夏Dr. 「良いと思うけれど。でも結局通院しなければならないし、費用がそれなりにかかるからね。原則イオン導入をしなくても、紫外線にあてずにそっとこすらないようにしていれば取れるはずなので、無理にはお勧めしていない。他の理由もあるなら積極的にさせていただくけれど。結局は患者さんでご希望があればってところかしらね。」
posted at 2006/09/14 17:41 | kojitomika |