この膨らんだ肌色から茶色のしみは、脂漏性角化症と言います。
どうも家系的に多い人がいるように思います。一つ一つがやや大きめです。
ヒトパピローマウイルスによる疣とは別のものです。(合併している場合はある。) 脂漏性角化症はもともと良性で 、悪性腫瘍になることは普通はない。もし悪性腫瘍があれば、それは元々癌だったというのが、現状の理解だと思います。
それで、反対側の脂漏性角化症の色が少々気になって、切除しました。(画像の上のほうの塊です。)
病理では、有棘細胞癌の表皮内癌(早期癌)。ちょっと気になるので、標本を精査中ですけれどーーー。
ちょうどこの記事を書きながら、ネット検索をしていたら、病理診断をお願いしている札幌皮膚病理研究所の安西先生のご発表では、良性色素性腫瘍と術前に診断し切除した12000例余りのなかで、良性色素性病変でなかったものが1528例でおよそ13%あったそうです。ちなみに悪性腫瘍だったものは1.2%ほど。
たくさんの良性腫瘍やしみの中から、悪性腫瘍を見つけ出す事も、美容外科医、形成外科医の仕事です。