9月にソウルで美容系の形成外科、皮膚科関連の国際規模の会議がありました。(MIPS)
脂肪融解や、脱毛症治療を主に聞いてきました.
脂肪融解術が他の国々では非常に盛んで、良好な結果が示されていました。
脱毛症の治療では、自家頭髪移植、血小板注入法など新しい技術も示されていました。
血小板注入の意味合いは、血小板から様々な細胞成長因子が放出されることが最近の研究で判り、その成長因子を発毛促進に利用する事にあります。 細胞の成長因子は、脂肪細胞からも産生されており、韓国のA社からはすでに製品として売り出されてもいます。
今回の血小板注入に関しては、発毛に効果があったとの報告でしたが、異論もあり、もう少し症例を積み重ねる必要があるように感じました。
これらの成長因子を利用しての方法は、我々が現在行っているメソセラピーとも基本的には同じと考えられ、実際その効果は我々の発毛効果とさほど違いがないように見えました。
メソセラピーでは頭皮に育毛カクテルを注入するわけですが、1-2ミリメートルの深さで全頭に数ミリ間隔でマイクロインジェクションされることになります。 当然頭皮にはインジェクションに伴ってこれを修復しようとして血小板が集まり、局所的に細胞成長因子が放出されます。 この生体の修復機構が頭皮を若返らせ、発毛、育毛を助けるものと考えられます。 この方法は、局所の免疫能も高め、感染にも抵抗力を増すため、治療を受けている方の頭皮は見違えるように綺麗になっていきます。
良い効果の得られなかった方は、全頭性に脱毛症が長年続いた方が残念なことに1名おりました。 考えられる原因は自分の毛髪細胞を異物として認識する自己免疫性であったこと、カツラ装着が異物反応を起こし、頭皮の慢性炎症を起こしたことなどです。 他のほとんどは良好な結果を得ていますが、さらに良い効果を得られるよう、検討中です。