美夏DR.はもともと形成外科医なので、手術をするのは慣れています。
どのようなほくろを切除し、どのようなものなら安全にレーザー照射ができるか鑑別するのは、ある意味腕の見せ所です。勿論とても怖い思いをする事があります。
最近おいでくださった患者さんで、「他の人のためになるなら画像を載せてもいいです。」と言ってくださった方がいます。鼻のほくろのように見える黒っぽい腫瘤です。
「最近出てきた物で、他のほくろと違うと思う。だんだん大きくもなってきている。」とおっしゃっていました。
ダーモスコピーで拝見すると、色が何やらむらむらとあやしい。
小さいものなので、手術時間は5分ほどで終了です。美夏Dr.は年齢とともにすっかり怖がりになってしまって、1mm離して軟骨膜を含めて切除しました。
確定診断は「基底細胞癌」でした。
取り残しの可能性が全くないのを病理の先生に確認してもらい(武蔵野市医師会検査センターではとっても優れたことに、札幌皮膚病理研究所の先生にお願いしてくれます。ヤッホー!!本当にここの先生は頼りになります。悪性腫瘍であると診断した場合には、切片を追加して多方向に検討してくれますし、状況においては、私のような開業医でも電話で症例検討をしてくれます。いつも感謝しています。)、自分でもプレパラートで確認し、治療終了です。
この癌はあまり悪性度は高くないのですが、場合によって再発を繰り返す嫌なやつです。最初の治療できっちり切除することが一番重要です。
ところで、一番困るのはーーー。 肉眼的に診ても、ダーモスコピーで診ても、診断を迷う足の裏の荷重部の黒い色と、爪の下の黒い色。
明らかに良いものと明らかに悪いものは、これは迷う必要がなく、治療方針が決まってきます。ところがその中間で、顕微鏡レベルでないと診断出来ないのに、その診断のための手術がとても患者さんの負担になる(大きさや場所で)場合は本当に困ります。経過で決めることになることが多いように思います。