傷の治療 No.3 「よく洗おう」

今回は怪我したときの、最初の治療 洗浄について話をします。
新しい創傷治療の基本は
1、消毒しない
2、傷はよく洗おう
3、湿潤環境に保つ
の3点
とお話しました。

消毒しないこと、湿潤環境に保つことは、結局自分の身体に備わった治る力を大事にするためです。 

でも、怪我のせいで、身体の一番外側にある防波堤、バリアがすでに破綻してしまっています。体の中からは、身体のなかの警察である免疫機構が動き始めています。

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怪我したときに最初にすべきことは、外から入ってきたものがあれば、それを洗い流し、免疫機構の働きを充分に助けてやることです。大量の水で洗い流すのが一番です。

 このときのお水は質より量と覚えておいてください。水道があれば、水道の水で、海ならば海水で、何もなくて水筒があればそのなかのお茶だって構いません。滅菌されている必要はない。

傷の中に、砂やガラスなどが入っていて取れないときには、お近くの医療機関にかかりましょう。形成外科があればそこに行ってみましょうね。 医師は、異物が残っている可能性があれば、必要に応じて麻酔の注射をし、ブラシやほかの道具を用いて取り除きます。

広い浅い傷で、砂や土が残っている場合には、この怪我した直後の治療が一番効果的。時間がたつと、外傷性刺青といって、色が残る場合があります。

 現在では、レーザーでこの怪我による刺青をとることができる場合があります。でもしばらく前までは、手術操作を加えなくてはこの外傷性刺青って取れなかった。初期治療なら、わずか2分の治療なのに、後でその色をとるのはなんて大変なことかと残念に思ったことは数知れません。

 あとひとつ。ふつうの傷は洗浄すれば、ほかの感染(ばい菌)対策は不要です。でも、土壌などからの汚染した創、犬や猫などの咬まれた傷、など例外があります。早い時期から抗生物質などの治療が必要な場合があります。また普通の傷であってもだんだん腫れてきた、赤くなってきた、痛みが強くなってきたなどの場合、医師による治療が必要になります。

 普通の浅い傷であればキズパワーパッドと洗浄用ミネラルウオーターがあれば、とりあえずの救急処置は可能でしょうか?

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