紫外線と皮膚がん
日差しがすっかり強くなり、スギ花粉症のない方にはアウトドアスポーツを楽しむよい季節になってきましたね。美夏Dr.は花粉症もちなので、せっかくのよい季節なのに、マスクと抗アレルギー剤が手放せず、少々憂鬱です。
私は、千葉県の鴨川で10年近く過ごしました。鴨川周辺にお住まいの漁師さんや農家の方をたくさん拝見いたしました。もともと色白で漁師さんや農家で紫外線を長期間浴びた結果、皮膚がんを発症した患者さんの治療を、かなりの数させていただきました。
紫外線によるダメージは、もともとその人の皮膚の性質によってかなり異なります。色黒で皮膚のメラニン含有量の多い皮膚をお持ちの方は、生来紫外線に対して強い抵抗力があります。でも、もともと色白の皮膚を持って生まれてきた方は、紫外線に対してのいわば武器が少ない。紫外線を大量に浴びる生活を長年続けて来られますと、どうしてもその紫外線による皮膚のダメージが強く出ます。
紫外線によるダメージは、最初はシミとしわです。同じ年代の中で、他の方よりもしみやしわが目立つ方は、ご自身の持っている皮膚の強さよりもたくさんの紫外線を浴びてしまった方です。
その方たちが、次に心配しなくてはならないのが、皮膚の悪性腫瘍です。悪性黒色腫や有棘細胞癌、基底細胞癌などの発症率は、紫外線をあびている量が多い場合に、増加します。
そして紫外線を浴びている皮膚は、衣服から露出されている皮膚全体です。そうすると、色白で生まれた漁師さんや農家の方で、どこかに皮膚癌が発症すると、長期間拝見していますと、他の部位にもそのうちに発症してくる場合があります。たいていはお顔か手や腕です。そのような日に当たりやすい場所には癌が転移するのではなくて、多発しやすくなっている。
アウトドアスポーツがお好きな方でもともと色白の方には、美容的な意味だけではなく、皮膚癌の発症予防のためにも、ぜひ日焼け止めをお使いいただきたいと、思っております。
美夏クリニック http://www.mika-clinic.com
美夏クリニックのウェブサイトで皮膚がんの説明は
http://www.mika-clinic.com/kamoku/hihu07.html
美夏Dr.はもともと色白だと言われて育ちました。スポーツが好きなので、テニスやら海やらスキーやらで、結構日焼けした時期が長くあります。
それでもあまりシミも目立たず、私はしみとは無縁だと全く医学的根拠無く楽観していました。(本当に馬鹿ですねえ)ところが一昨年どうやら紫外線を浴びる総量が、一定限度を超してしまったようです。あちらこちらに、パラパラとスポットのようなシミが出てきたかと思ったら、肝斑が出現しました。
この10年くらいは、サンスクリーンを使わずに、表を歩くことはなかったのですがーーー。今のところ幸いシミとしわですんでいますけれど、60歳過ぎると危ないかもしれませんね。
たしかに過去に浴びてしまった紫外線によるダメージを完全に回復することは、難しいかもしれません。でも将来にたいしてはある程度予防が出来ます。
ぜひ面倒くさがらずに、サンスクリーンをお使いくださいませ。