botox(ボトックス)の欠点
ボトックスは、美夏Dr.の好きな薬です。でもどんな治療法にも利点欠点があります。今回は欠点についてお話します。
ボトックスの一番の欠点は、加熱されていますけれど、血液製剤のアルブミンが入っていることにあります。加熱によって死滅しない病原体で現在分かっているのは、クロイツフェルトヤコブ病です。言い換えると、肝炎やエイズなどのウイルスは加熱することでなくなっている。
皺治療に、年に2-3回の注射で効果が確実なので、私は時々打ってもらいます。加熱してあるアルブミンによるリスクは、交通事故にあうより低いと自分では思っています。でもリスクが皆無な訳ではありません。
もうひとつの大きなリスクが抗体産生です。ボトックスはたんぱく質なので、個体の感受性によって、ボトックスにたいする抗体が産生される可能性があります。
抗体ができちゃうと、ボトックスは効かなくなる。ボトックスは、筋緊張性頭痛や裂肛や腰痛など、筋肉の動きを止めることで痛みを止めることもできる。かなり色々な分野の治療に可能性があります。効かなくなっちゃうとボトックス治療の可能性がなくなるので悲しい。
今年の内科学会で抗体産生しないボトックスの開発が進んでいるという発表があったそうです。
ボトックスは筋肉の動きを止める薬なので、ボトックスを注射した顔が好きか嫌いかという点もあります。医師はある程度(ある程度というのは、片方の筋肉の動きを止めた場合に拮抗筋という反対側の筋肉の強さが人により様々で、予測しきれない)注射した結果を予測して、治療しています。 でもね、その顔がご本人の好みかどうかは、やはり予測しきれない。
先日注射してもらい、やや上がり眉になりました。私はそれなりに面白くて、気に入っています。ちょっと表情が変わったのか、患者さんに「何かやったでしょう!?」と聞かれます。他の人には良く分からないくらいのちょっとした変化で若くみえるのって面白いでしょう?
でも、これがクレームになることはあります。
あとの欠点は、良かれ悪しかれですが持続期間が平均3-4月、人によって差があります。いくら気に入った結果でも維持するためには繰り返しの治療が必要です。(良かれの方はーーー結果が気に入らなくてもいずれ元へ戻るということです。)
ということで、汗の治療でも他の治療でも、ボトックスを追加で(ブースターで)注射するのは最低限にしてね。また、打つ回数も最小限に。