薬膳の食材としてこれから冬にときどき登場してくるのは、やはり「唐辛子」でしょう
効能は 胃腸を刺激し、胃腸はもちろん体全体を温めます。発汗作用、代謝改善作用もあります。したがって冷えによる腹痛や、下痢などの緩和、肩こりや腰痛の改善に役立ちます。
昔はしもやけによいとされていたのでハンドクリームなどない時代に重用されたということです。いまや,この成分を利用した指先あっため系のハンドクリームが売られていますね。また貼ると温かくなるシップにこの成分が配合されています。 外用では(塗る場合には)やはり合う人あわない人がいます。合わない人は数分で痒くなってきます。私なども10分が限界でそれ以上だと湿疹が出来てしまいます。
食事で全身を温めるのには何より効率的です。辛味成分はカプサイシン、赤み成分はカプチサンといわれています。東洋医学的な考えでは、心経と脾経という経絡(心臓と脾臓をさすのではなく生命エネルギーのラインをさします)に関係しますから、やはり血の流れ、よどみの改善に深く関係するとみています。
料理としては、麻婆豆腐や肉の炒め物などたくさんありますが、「きんぴら」がお手軽でよいかなと思います。食材を油でいためて、しょうゆ、砂糖、酒で味付けし唐辛子を入れます。食材はごぼうやこんにゃくが定番になっています。あっという間にできますし簡単でおいしい!。
上級テクニックとしては、体を冷やす作用のあるセロリやなす、あるいは大根、レンコン、しめじなどと合わせるのがよいとおもいます。たとえば、更年期で体が火照りやすくて冷えやすいという方など、とくにこのような組み合わせを覚えておかれると良いと思いますね。
そういえば七味唐辛子の瓶が飾ってあるわという方、たまには使ってみてはいかがでしょうか
ここからは美夏Dr.のコメントです。
テレビで「チャングムの誓い」という番組がありました。宮廷の女官たちが料理を作るときに、素材をいかに見分け、どんな状況の時にどのような料理をするのか議論していて、とても面白い番組でした。
Kナースと休み時間などに、 「日本ではあんなに食材の効能について、注意していないよね」って話をしていましたら、多分「日本の料理って結構(栄養学的に)完成度が高いんじゃあない」という暫定的な結論になりました。
私自身はあまり和食以外のアジア系の料理を作ったことがありません。西洋料理(一言でくくっちゃって良いかどうか、少々問題がありますけれど)は美味しそうだと思って、一時期料理本を片手に、お稽古を我流でしていました。脂質とカロリーは本当に高いんですよね。パイを作ってみれば、すぐ分かる。(だけど美味しいのよね、手作りのパイ料理!!)
ただ和食でもレセピに従って作るとどうしてもお塩、醤油、おみそなどの塩分は高めです。みりんや砂糖でカロリーも過多になります。その上に、加工された食材例えば魚のひもの、塩辛、漬け物などこれまた塩分は多い。
それで、塩分を控えめにすることに気を配って作った和食が一番ヘルシーかなと思っています。