美容抗加齢医学会第2回に参加して面白かったこと No.2、昨日の続きです。
レーザー治療後の炎症後色素沈着について
1、イオン導入をする
2、ハイドロキノンを使う
3、トレチノイン療法をする、オバジのnu-derm(クリームプログラム)をする
などの方法があります。
しみのレーザー治療の前後に1-3などの治療をするかどうかの議論がありました。
その中で、葛西形成外科の酒井めぐみ先生は、前後とも処置せず、皮膚を刺激しないように指導するとお答えでした。
根拠は、ハイドロキノンや日焼け止め(サンスクリーン)などでも接触性皮膚炎がおこることがある。色々なものを塗れば塗るほど、摩擦の力がかかって色素沈着が増悪する。色々前または後療法しなくったって抜けるものは抜けるの3点です。
おっしゃる通りだと思います。少なくともハイドロキノンやサンスクリーンでかぶれてしまったり、こすっていたりすれば、結果は思わしくありません。
ほかの先生方は、大体何らかの治療を必要に応じてなさっておられるようでした。
二つめに面白かったのは(今回の会に限らずですが)
トレチノインをとても嫌いな先生がおいでな事です。トレチノインは新陳代謝を促すビタミン剤なので、炎症を引き起こします。その炎症が、肝斑などを場合によって増悪させますし、皮膚は痒くなれば掻いてしまって傷を作る。その上、トレチノインは感受性に個人差がある。
そんなこんなで、治療成績が安定しない部分があるので、特にお化粧をなさらない男性の先生方のなかで嫌う方が多いように思います。
結構使い勝手の良い薬で、美夏Dr.はお気に入りですけれどーーー。
そうそう臨床治験中と聞いていましたけれど、いつ認可されるのかしらん??
3つめにトランネキサムの内服の仕方
トランシーノという名前で「肝斑が消える」と宣伝されていると聞きました。(美夏Dr.はTVを見ている時間がないので、本当のことは知りません。)消えるってのは少々大げさな話だとおもいます。
リスクについてはっきりと分かっているとは言えないと感じていますが、1日500mg推奨の方から1500mg推奨の医師までおいでのようでした。有効最小量がなんなのか、どのくらいの期間が適当なのか、次回への宿題となりました。またなぜトランネキサムが肝斑に効果があるのか、その機序についてはよくわからないという、こちらは目新しい結果とはなりませんでした。