本日は手抜きで(スミマセン)一年半ほど前に「美夏先生と愉快な仲間たち」(jugemの時、私の前の前のブログ)に書いた文章です。以前書いた記事はこちらの美夏クリニックブログとして少しずつ移動しています。blockblogの時の記事は書いたときの日付でだいたいアップしています。アーカイブが少しずつ増えているでしょ?でもこの傷の話題は、大事な内容なので少し手を入れて新しい日付でご紹介します。3回連続です。
【新しい創傷治療】の現在の常識のポイントは
1、消毒しない2、よく洗浄する3、湿潤環境(ウェットにする)に傷をおく の3点です。
やけどや擦り傷などの怪我をしたとします。以前でしたら、まず消毒。私が子供のころは「赤チン」というものを塗りましたし、赤チンがなくなってからは、「ヨウチン」を使っていたでしょうか?現在でも消毒液として、医療機関の中ではイソジンというヨード系の薬が良く使用されます。
消毒薬は、細菌(ばい菌)について、殺菌作用があるものを言います。今のように抗生物質がなかった時代には、化膿すると命とり。 とにかくばい菌は退治しなくては、と消毒することが大変重要な治療でした。 長い歴史の中で、病気との闘いが実は細菌との闘いであったことを考えれば、当然のことだと思います。
でも消毒薬は、傷が治ってくる過程で新しく出来てくる新生細胞やその場所で防御作用をしている白血球などの細胞にもダメージを与えます。傷が治るのに役に立つ良い細胞についても、外からの敵かもしれない細菌に対しても、ダメージを与えてしまいます。細胞障害性があるといいます。
また消毒薬でかぶれることがあります。「傷が治りません。」とおいでになる患者さんのなかに、消毒かぶれの人ってかなりいます。
治療は、やったほうが得なのか損なのかで、その方法が良いか悪いか決まります。 それで、色々なやり方を比較検討してみた結果、ばい菌を退治しようとする消毒薬を傷に使って、自分自身の治癒能力(新しい細胞、免疫を高める細胞)を抑えると、結局は傷の治りが悪いという事がはっきりしてきました。
本日の結論 消毒すると、傷の治りが遅い。下記のサイトに詳しい内容があります。 http://www.wound-treatment.jp/ 次回は2を後回しにして、3の湿潤環境についてお話しますね。