日本抗加齢美容医療学会(MBF)
もともとは脱毛を手広くなさっていた医師たちが立ち上げた学会だと思います。MBF medical beauty forum とも言います。昨日秋から冬のセミナーがありまして、参加してまいりました。
日本美容外科学会が、やや手術治療にシフトしているのに比べ、この学会は非侵襲的な治療 つまり手術ではなくて、レーザーなどの照射する治療や薬による治療にシフトしています。
研究会や学会は乱立しており、全部に参加していると、返って勉強する時間がなくなりそうです。でもこのセミナーはなるべく参加するようにしています。何回かに分けてご紹介したいと思います。
「歴史は繰り返す」というお話を会長講演として、大宮スキンクリニックの石井先生(私と縁戚関係はありません。)がなさっていました。とくにFILLERについてのお話です。
長時間持続するタイプのFILLERの危険性について、何回か触れさせていただいています。
ずいぶん昔にシリコンジェルを直接注入するという手技が行われた時期があります。いわば注射するだけなので、お手軽です。注射されたシリコンは周辺に少しずつ広がって行きます。その注射された物質の周りに身体がその異物である物質を囲い込もうとしてカプセルが出来ます。異物肉芽腫といいます。
私が形成外科医になりたての頃にも、乳房の広い範囲にシリコンジェルを注射され、その後しこりが多数でき、また皮膚が損傷し、乳房の形が変形した方の、そのシリコンジェルを周囲の線維組織と共に摘出する手術を時に拝見いたしました。美しい乳房を望んで変形がきているわけですから、その悲しみは察するに余りあります。
現在長期間残存するFILLERとして種々の製剤が出回っています。
長時間残存した結果、場合によっては手術的に摘出する(取り出す)以外、方法がなくなる場合があります。そういった製剤によるしこりや色のトラブルは最近良く耳にします。
どうぞFILLERは、コラーゲンやヒアルロン酸など吸収される製剤を選択なさるよう、お勧めいたします。吸収されれば、嫌な結果もなくなります。
過去のシリコン注射による合併症を考えれば、FILLERも注意して使わなければ、大きな問題が起こりうる。過去の歴史に学びなさいという講演の一部分をご紹介いたしました。
美夏クリニックはこちらです http://www.mika-clinic.com
Fillerとは、シワやくぼみを持ち上げたり、顎を出す、鼻を高くするなど、膨らます目的で使われる、液状の注射製剤を言います。
現在(人由来)コラーゲンやヒアルロン酸が一番一般的です。製剤は多種類使われています。
その中で、長時間作用するとされている製剤がいくつかあります。長時間作用性の製剤について、トラブルの報告が増えていること。20年前にシリコン製剤で悪い結果があったけれど、それをご覧になったことがない若い医師が増えていることから、講演で警告がなされたと思っています。
posted at 2006/10/30 09:55 | kojitomika |
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