毛虫皮膚炎 毒蛾皮膚炎 説明です
今年もやってきました。毛虫皮膚炎毒蛾皮膚炎の時期。
お庭や公園にいた後、学校の校庭で、突然かなり強い赤い痒い発疹が出ます。でも、心当たりがはっきりしなくて、どこで毛虫にやられたのか分からないこともあります。いやあ、とにかく痒い。
衣服に覆われていないところの方が出そうなものだけれど、結構肩だとかお腹などにも出ている。毛虫や成虫の毒針がふわーっと風に乗って、刺さる。屋外に干した下着についた毒針で、起こることもある。
赤みと痒みが強く、小豆から大豆粒くらいの丘疹というやや固めのふくらんだ発疹が出る。いくつかの疹が集まって癒合している時もある。
分布が左右が対称ではなく、とっても赤くてとっても痒いのが突然出てくるとコレかなと思います。
この毛虫皮膚炎、毒蛾皮膚炎は、やられたと思ったら、ガムテープなどを貼ってははがしを繰り返すと、その毒針が抜ける。あとから診察室で、ルーペやダーモスコープで観察しても針は見つからない時が多い。
掻きこわすと、毒針が中に深く入って余計悪くなることがある。そのあとよーくお水で洗いましょうね。薬がないと辛いかもしれない。洗ったあと皮膚科にかかってくださいね。
私自身は、アウトドアが好きなのに、この毛虫皮膚炎にはなったことがありません。
でも、ツバキ、サザンカなどで葉っぱが食われていれば、その木には近づかないようにしています。
ほかの毛虫も見つけたら、風下は避けます。
ちなみに毛虫も芋虫も触るのは苦手です。見るのは平気ですが。「虫ってかわいいのに、どうして触ってくれないの?」そんなかわいいお願いは、聞こえなかった振りをしましょう。
だいたい痒みをとる飲み薬と一番強いステロイドの塗り薬を処方しているけれど、1週間は発疹は消えません。ステロイドの貼り薬も掻き壊しの防止と、痒みを止めるのに結構便利です。
昨年の記事を改変しました。画像が載せられると良かったのですが、成書以外には見つけられなくて、すみません。どなたか許可してくださる患者さんがおいでになったら、アップしますね。
美夏クリニック http://www.mika-clinic.com
毛虫皮膚炎とか毒蛾皮膚炎というのは、蝶や蛾の成虫や幼虫の毒針が皮膚に刺さって起こります。この皮膚炎を起こす蝶や蛾はかなりの数になります。
症状の強いものを少し紹介します。
【ドクガ】は、幼虫も成虫も起こします。サクラや梅、りんご、バラ、つつじ、など。6-8月に孵化する。頻度が最も多く、異常発生する。
【チャドクガ】は幼虫によるものが多く、ツバキ、サザンカ、チャなど。年に2回発生。6,7月と10月。主に南日本
【モンシロドクガ】は梅、さくら、桑、バラなど
【イラガ】は、刺されると激しい痛みがある。柿、なし、りんごなど果樹
参考文献 皮膚科学 上野賢一先生著
皮膚疾患あらかると 西岡清先生編
あたらしい皮膚科学 清水宏先生著 など
posted at 2007/06/06 09:01 | kojitomika |
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