さて、「気、血、水」のうち 最後の「水」について、ご存知Dr.筑田にインタビューしてみましょう。
なすび 「【水】って何ですか?」
Dr.筑田 「体内の水分は二つに分かれる。つまり【血】は、血管の中を流れているものを指すし、【水】は血管以外に分布している水分を指すんだ。【水】は、身体に潤いをもたらし、身体の防御システムを司るリンパ系も含めて考えるんだ。【津液(しんえき)】ともいう。ただの「みず」ではない。栄養や滋養を含んだ水で、細胞活性を促し、身体を守る働きがあるんだ。 【水】の一部は汗や尿になって、体外に排出される。」
なすび 「【水】による異常を教えてください」
DR.筑田 「身体のバランスが崩れていて、この【水】が体内に病的に貯留したり、返って不足することを【水毒】という。水分が過剰である【水毒】で見られる症状は、腎不全、心不全の患者さんの症状が良くあてはまるんだ。つまり、むくみ、息苦しい、尿が出にくい、咳や痰などもその【水毒】だ。不足の【水毒】では、喉がかわく、身体がほてる、皮膚が乾燥する、目が乾燥する、つばが出にくい、乾いた咳など。」
DR.筑田 「興味深いことに、めまいも広い意味での【水毒】と理解されている。めまいの代表的疾患にメニエル氏病がある。メニエル氏病は西洋医学的には内耳(耳の奥にあるカタツムリのような形の器官、三半規管という)のリンパ液の異常である。昔の中国の人は、水を出すような薬(利尿薬タイプの薬)を使うとめまいが楽になることから、めまいは水毒だと考えたのだろう。 2千年前の古人の観察力に驚かされます。」
なすび「気、血、水について教えていただいてありがとうございました。」
DR.筑田 身体は【水】と【血】という液体で造られた小宇宙です。その宇宙に命を与えて、動的に動かすエネルギーが【気】です。
そのバランスが崩れ始めたときを未病と捉えます。さらにそれが進んで症状が出たときが、病気や疾患なのです。出来れば未病の段階で、その身体のゆがみや偏りを矯正し、バランスの取れた健康な状態を維持できるようにしたいと、東洋医学の医師は努力しています。」| 漢方 | 14:03 | – | – | ↑TOP