4月5日 サントリーホールにドンジョバンニを見に行きました。
音楽は、たいてい武蔵野市民会館で聴いています。それが久しぶりに都心に出かけました。
サントリーホールは美しいホールです。ウィーンのミュージックフェラインをいつも思い出しますが、明るい雰囲気で残響がよくて、もう何回音楽を聴きにいったか分かりません。ドレスアップして来られる方が多くて、おしゃれな雰囲気。私も少々ドレスアップしました。
オペラは、普通舞台の手前の一段低い所のオーケストラピットで演奏します。それがこのホールオペラでは舞台の後方の高いところで演奏します。東京交響楽団。音が素直に響いてきてよく聴こえてくるように感じました。
舞台装置はちょっと退廃的な雰囲気です。上から垂れ下がる大きな幕が赤からゴールドで、全体を引き締めています。衣装が現代的になっていて、クラシックかつモダンな舞台ーー。視覚的にもとても楽しめるオペラになっていました。演技が現代的で、少し恥ずかしい。
ジョバンニのマルクス・ヴェルヴァさんは、スタイルがよくていかにもプレイボーイ風、ドン・ジョバンニぴったりのバリトンです。怪傑ゾロみたいな衣装も楽しかった。
ドンナアンナのファルノッキアさんは、とても声が美しく、表現力たっぷりでした。いつもアンナは硬く感じるのですが、このアンナは声の質もあったのか、やわらかい雰囲気を感じました。
オッターヴィオはブラゴイ・ナコスキさん。オッターヴィオはちょっと真面目な二枚目で、典型的な王子様役です。私にとっては印象が薄いことが多いのですが、今回はアリアをよく聞かせてくれて、素敵な騎士でした。
エルヴィラの増田朋子さんの高音が不安定だったのが、少々惜しまれます。
いつ聞いても楽しいドン・ジョバンニ。超自我のようなアンナの父である石像に、ジョバンニは悔い改めよと迫られますが、それを断ってジョバンニは奈落に沈みます。なかなかに潔い。
皆さんはどのアリアがお好きですか?レポレッロのカタログの歌、ツェルリーナのコケティッシュな歌、アンナとオッターヴィオの恋歌、どの歌も私は好きです。 序曲の重い音から始まって最後まで楽しめます。
ずいぶんたくさんのドンジョバンニを見聞きしましたが、秀逸だったと思います。