「永遠の都」―book worm(1)

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 本の虫 bookwormという言葉をご存じですか?

 最近は何かと忙しく、bookworm である余裕がありません。それでも 「そうだ私はbookwormだった」ということを思い出すときがあります。 bookwormは、本の中に住み続けているのが一番好き。 長い長い小説が好き。

 1-2か月加賀乙彦の「永遠の都」を読んでいました。文庫本で7巻。(bookworm向きでしょ?) 加賀乙彦は精神科医で「フランドルの冬」「宣告」などの長編小説があります。たまたま文庫本を物色していて目をひかれました。

 「永遠の都」は1930年代半ばから1947年を、外科医時田利平を中心に太平洋戦争をはさんで書かれています。主人公の追想という形で、幼少児期の記憶や日露戦争(1904-05)の思い出が書かれており、実際には40年以上の期間にわたります。

 タイプの異なる登場人物のそれぞれの生き方が丁寧に書かれています。どの人もそれぞれの人生を歩んでいて、良いとか悪いとかそのような判断ではなくて、その一人一人はそう生きる必然があったのだというように読めてきます。

 また2.26事件や東京大空襲、など歴史の上で知っているけれど、現実味のなかった出来事が、ページの向こうから色と音を備えて立ち上がってくるように現れてきます。(小説の醍醐味です。) 

 わたくしの母は1930年に生まれ1994年に亡くなっています。死ぬ時に「激動の時代だった」と言っておりましたが、あまりに世界の動きが激しかった時代で、個人の選択肢は極めて小さかった。その時代が舞台。 夏の夜長の友にお勧めです。

 ちなみに今は「永遠の都」の続編「雲の都」を読んでいます。どちらも主人公が医師なので、より身近に感じるのかもしれません。

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