ボトックス治療(ボツリヌストキシン治療とは)
治療の概略 注射で、表情筋の動きを止める治療です。筋肉の動きを止めて、表情で出現する皺を目立たなくします。
適応外治療として、多汗症治療(脇の汗や夏の水晶性汗疹)、筋肉の減量(エラを細くする、側頭筋や咬筋の動きを止めて歯ぎしりや頭痛を軽快させる)などの治療があります。
薬剤について A型ボツリヌス菌毒素を精製した薬剤です。天然由来のタンパク質の一種で神経筋接合部をブロックします
当院で使用している製剤は2剤です。どちらも自費診療です。
ボトックスビスタ 厚生労働省認可のある製剤 (65歳未満の眉間、目じりの表情皺に適応)
ナボタ 韓国のデウン社(大熊製薬会社)の製剤で、厚生労働省の認可はありません。Jeuveauというブランド名でFDA(アメリカ食品衛生局)の認可が取れている製材を個人輸入で使用しています
ボトックス(グラクソスミスクライン社)は、重症腋窩多汗症や顔面痙攣などに厚生労働省認可が取れています。当院では取り扱いがありません。
治療の目的(効果や改善が見込まれる症状)
皺治療;眉間の縦しわ、目尻しわ — ボトックスビスタでは厚生労働省の認可があるのはこの二つのみです
おでこの横しわ、鼻のくしゃくしゃした皺、顎の梅干し皺、口のへの字を軽減する、(以下は適応外処方です)
汗どめ;脇の下、顔の水晶性汗疹
噛みしめ軽減;側頭筋と咬筋 頭痛抑制と顎関節症
筋肉の減量;エラはりの軽減、側頭筋などの筋緊張性頭痛の軽減
マイクロボトックス;皮脂の分泌抑制、肌理の改善
治療期間
効果がある期間はだいたい注射して1週間後から3-4か月です。1か所に1ー1.5単位で注入した場所については、1.5-2月の効果です。
治療回数
大体年に2-4回を繰り返します
費用
アラガンのボトックスビスタは、11,000円/10単位 ナボタは7700/10単位です
大まかな目安は、おでこと眉間と目じりで20-30単位 しっかり効かせたい時には50単位
40-60歳くらいの方でお顔全体の治療をボトックスですると、60単位-100単位
エラはりの強い人は100単位、軽い人は40単位
リスクと副作用
人由来の血清アルブミン(加熱済み)が含まれています。クロイツフェルトヤコブ病または未知の疾患で、熱しても生き残る血液を媒介とする微生物には安全性は担保されません
お顔の表情が好みにあわない場合があります。 眼瞼下垂、眉毛下垂、閉瞼障害、眉挙上、エラの場合凸凹が見えるなど
アレルギー 抗体を身体が作ると効かなくなります。アナフィラキシーショックが添付文書に記載されています
薬の効果が必ず消えます。
妊婦、授乳婦、神経筋障害のある人には治療できません。