オペラファンの音楽愛好家からみると、バレエは崇高で浮世離れした芸術に見えます。余分などろどろとした感情をそぎ取って、純化しているよう。
三面記事が題材のオペラに比べたら、夢の世界。抽象的な題材も多いようですが、それでも人の感情や愛を描いていることには変わりがない。
魅力的なポスターに魅かれてナタリー・ポートマン主演のブラックスワンを観てきました。チャイコフスキーの白鳥の湖の曲は多分どなたでも聞いたことがあると思います。白鳥になって最後は死んでしまうオデットの悲恋の物語です。その恋を邪魔するのが黒鳥です。
その白鳥の湖を下敷きにしながら、無垢の白鳥の心の中にも存在する暗い部分の象徴としての黒鳥をテーマにした映画と言えるでしょうか?
白い部分も黒い部分も合わせ持って、人は大人になってゆきます。
映画を拝見したのは5月末。原稿を書き始めてから随分時間が経ってしまってボツにしようかと思ったのですが、ポートマンがとても魅力的で、予想したほどに怖くなかったのでアップします。(ホラー映画は苦手なの)