バッハは音楽の原点だと思っています。身体で言えば心臓の動きか呼吸みたいなもの。ピアノを弾くひとは、子供の頃インベンションから始まって、少しずつ上達してゆきます。でも子供には、そのバッハの美しさを理解するのはとても難しいのではないでしょうか?
私がバッハに再会したのは、大学に入学してピアノを弾くことが無くなってからです。たまたま知り合いで音楽のすきな友人がたくさんいましたので、オケには入りませんでしたがクラシック音楽はかなり聴きました。学生には贅沢なカザルスのバッハ全集を買って、よく聴いていました。
マイスキーの無伴奏チェロ組曲は、カザルスやシュタルケルとはずいぶん違います。どちらかというと譜面から、バッハのチェロを弾くというよりは、マイスキーのチェロ組曲を生み出しているように思います。美夏Dr.の耳に留まっているバッハはカザルスが弾くバッハなのでそういう意味では別の曲を聴いているかのような印象があります。
でもこのマイスキーのチェロ組曲は、マイスキーさんの詩情や感性があふれていて、とても聴いていて楽しい。
特に、アンコールの2番のサラバンドは、とても情感豊かで美しい演奏でした
昨日のマイスキーさんは連日のコンサートで少々お疲れだったように思いました。
こちらの写真は、サントリーホールなどでピアノパートを弾いていたお嬢さんのリリーとの写真です。
ここのところ、クリニックでながしているアルゲリッチとの競演のCDジャケットです。これも、お勧めです。