この1月からチェロの練習を始めました。
私が子供の頃には音楽の授業といえば歌をうたう程度で、私は楽譜も読めません。学校のオルガン、後にピアノとなりましたが、その伴奏でうまく唄えるかどうかが評価でした。
クラシック音楽とは縁が無く、野山を吹き抜ける風と、強風時の海鳴りが田舎町のオーケストラのようなものでした。 学生時代に始めて洋楽を知り、その中でもチェロの音の優しさがとても気に入りました。
そして、いよいよチェロを買って始めたのが40台半ばで、自己流で仕事を終えてから夜中になってはブンブンと音を楽しんでいました。 曲などは弾けるわけは無く、ひたすら入眠効果の有る心地よいチェロの音を体で感じて満足していました。
宿舎は海辺に近く、周囲を気にすることなく夜中も自由存分に音を出せました。 チェロを弾きだすと、「セロ弾きのゴーシュ」ではさまざまな獣でしたが、私の場合には昆虫が集まってくるので、その下手さ加減がわかります。 昼に弾いたら、あるいは鳥たちが来てくれたかも知れないのですが。
1-2年もして、少しずつ音楽の奥深さを気づき始め、演奏会を今まで以上に楽しめるようになり、これが一番の成果であったかもしれません。
その後も時々音を出しては楽しんでいましたが、チェロにもすまない気がして、そろそろまともに曲を弾けるようになろうと思い立ち、プロに教えてもらう事にしました。 今まで2回のレッスンですが、発音、奏法がすでに変わった気がしています。 1年後には1曲でも自由に弾けるようになりたいとものと、今日もチェロの音色を楽しみます。
美夏Dr.が始めて筑田Dr.に会った頃、いい音色でしょとチェロを聞かせてくれました。美夏Dr.はあまり上手くはないのですが、ピアノの練習は小さい頃にしていましたので、絶対音感はあります。「いい音色」って言ったって音程がめちゃくちゃで、しかもそれに気がついていない筑田Dr.に一体なんと言って誉めたらいいのか、途方にくれた記憶があります。
「音楽って誰が弾いても一緒なんでしょ」っていう筑田Dr.のコメントが同じ時にあり、こちらも呆然。なんと答えたらよいのかーーー。
その後筑田Dr.の音楽センスは、美夏Dr.の収集していたレコードやCDの効果もあったのか、飛躍的に向上しました。チェロではマイスキー、ロストロポービッチ、シュタルケル、そのほかたくさんの演奏家のリサイタルに出かけ、それぞれの演奏スタイルや表現方法の違いもお分かりいただけたようで、最近ではかなりのうるさ型に変貌しています。
薀蓄を傾けるとか知識があるとか以上に、私たちの心の慰めになり、私たちの友達となる音楽と親しめる環境は大変恵まれたものだと思っています。
posted at 2007/01/19 18:12 | kojitomika |
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