しばらく前に、BookOffでDVDの「戦場のピアニスト」を手に入れ拝見いたしました。
美夏Dr.は、映画で戦争の話を見るのが苦手です。どうも生生しくて、正視できません。見たくないなあと言いながら、見なくてはいけないような気分になって、拝見しています。
この映画も拝見するのがとても辛い気がして、実際に購入してから拝見するまで一月くらいは書庫に置いたままでした。でも拝見した後には、上手く言えないのですが深く心動かされ、人の心のなかの希望を見るような気持ちがしました。その後、ミッシャ・マイスキーのチェロコンサートに行き東欧の音楽が憂いを帯びたメランコリックな響きがあるのは、その太陽の光のせいだけではなくて、その歴史にもあるのだと感じました。
監督はロマン・ポランスキー
ユダヤ系のポーランド人です。母親をホロコーストで亡くしていて、映画の主人公のシュピルマンと同じルーツがある人です。
DVDのジャケットを画像にしました。シュピルマンの原作はもともと「ある都市の死」といいます。その原題そのものの風景ですね。(英語版で本はThe Pianistとなり、映画も同じThe Pianistです。日本語では春秋社から「戦場のピアニスト」という題名で出版されています)
映画の内容や感想を私の言葉で申し上げてもあまり意味がありません。作品そのものの力が圧倒的なので、言葉は力がありません。興味のある方は是非見てください。
ただ、その映画の中で流れてくる音楽の美しさ、ポランスキーの作る画面の美しさが、内容の悲しさとあまりに対比的でーーー。
以前眼にした記憶では(同じフレーズではないと思いますが)、「モーツァルトの音楽を愛するナチス」という言葉がありました。深く美を愛しながら、反面虐殺を続けてしまったナチスを指しています。美を愛する人が状況によっては人を殺してしまう人間の悲しさを言葉で表したものです。
美しさを愛するのとともに人を慈しむ心を大事にしたいものです。
DVDに一緒に入っていたパンフレットには「原作を読んで初めてこの真実の物語は完結する」と書いてありました。映画だけでももちろん完結していると思いましたが、それでも原作もお薦めです。(このキャッチコピーも素晴らしいですね!!)ついでにシュピルマンの息子さんが書いた「シュピルマンの時計」という本を今読んでいます。
その後同じポランスキー監督のオリバーツイストも拝見致しました。こちらもとても美しい。お勧めです。