■しわ治療
ボトックスやコラーゲン・ヒアルロン酸の注入には、医師の技術によって仕上がりに大差があります。
●ボトックス 表情じわ 汗どめ エラ 水晶性汗疹
ボトックスは天然由来のタンパク質の一種で神経筋接合部をブロックする薬です。皺では筋肉を動かない ようにすることで、表情筋の動きを止め、しわを作らないようにしようとする治療方法です。
そのため、表情によって出るしわを治療した場合に満足度が高く、特に目尻の「からすの足跡」と呼ばれるしわ、眉間のしわ、額の横じわに良い適応があります。また、眉の外側を少し上げるなど眉の形を整えることもできます。唇のやや下外方に注射しますと、マリオネットラインが浅くなります。口角下制筋をブロックするので口角が上向きになって、笑顔が綺麗な微笑みとなります。
また、えらの張っているいる方のうち、骨より筋肉が発達している方にボトックスを使用することで、筋肉を痩せさせてえらを目立たなくすることも可能です。この場合、動きを止めて筋肉を細くすることで効果を得ていますので、治療後はあまり硬いものは召し上がらないほうが、効果が長続きします(筋肉の廃用性萎縮)。
多汗症はなかなか良い治療がありませんが、ボトックスでエクリン汗腺の働きを抑え、汗の量を減らすことが可能です。ボトックスで多汗症の治療をしたうえで、制汗剤を使うと、ワキガの臭いもかなり減らせます。ワキガの手術やミラドライも完全に臭いをとることは難しい時がありますので、一つの選択肢だと思います。
ボトックスは安全で満足度の高い治療方法ですが、人由来の血清アルブミンが含まれていますので、未知の疾患についての安全性は100%とはいえません。
また、持続期間が個人差もありますし、目的により異なりますが、およそ3-4か月です。永続的に効果のあるものではありません。
美夏クリニックで使用しているボトックスビスタは、アメリカのアラガン社の製品です。日本の厚生労働省では、美容領域には眉間と目じりのしわに認可されております。グラクソのボトックスは眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頚など幅広く認可がおりています。
ナボタ(韓国製ボツリヌストキシン)は原価が安く、韓国デウン社のJeuveauという商品名でFDA(アメリカ食品衛生局)の認可の取れています。ご希望があればこちらも注入しています。厚生労働省の認可はありません。持続期間はほぼ同じ。お墨付きがないので、ジェネリックと似たような扱いになると思います。
ボトックスについてのブログ記事は こちら です
ボトックス治療(ボツリヌストキシン治療とは)
治療の概略 注射で、表情筋の動きを止める治療です。を動かないようにして表情で出現する皺を目立たなくします。
適応外治療として、多汗症治療(腋窩や夏の水晶性汗疹)、筋肉の減量(エラや側頭筋を瘦せさせる)などの治療があります。
薬剤について A型ボツリヌス菌毒素を精製した薬剤です。天然由来のタンパク質の一種で神経筋接合部をブロックします
当院で使用している製剤は2剤です。どちらも自費診療で保険は効きません。
ボトックスビスタ 厚生労働省認可のある製剤
ナボタ 韓国のデウン社(大熊製薬会社)が製造た製剤で、厚生労働省の認可はないが、Jeuveauというブランド名でFDA(アメリカ食品衛生局)の認可が取れたもの
当院で取り扱いのないボトックス(グラクソスミスクライン社)は厚生労働省認可が取れて、重症腋窩多汗症や顔面痙攣などに適応があります。
治療の目的または注射することで改善が見込まれる内容は
皺治療;眉間の縦しわ、目尻しわ — ボトックスビスタでは厚生労働省の認可があります
おでこの横しわ、鼻のくしゃくしゃした皺、顎の梅干し皺、口のへの字を軽減する、(以下は厚生労働省の認可がない適応外処方になります)
汗どめ;脇の下、顔の水晶性汗疹、手掌
噛みしめ軽減;側頭筋と咬筋 頭痛抑制と顎関節症
筋肉の減量;エラはりの軽減、側頭筋などの筋緊張性頭痛の軽減
マイクロボトックス;皮脂の分泌抑制、肌理の改善
治療期間
効果がある期間は大体注射して1週間後から3-4月です。1か所に1ー1.5単位で注入した場所については、1.5-2月の効果です。
治療回数
大体年に2-4回を繰り返します
費用
アラガンのボトックスビスタは、11,000円/10単位 ナボタは7700/10単位です
大まかな目安として、おでこと眉間と目じりで2-3.5万円
40-60歳くらいの方でお顔全体の治療をボトックスですると、66,000円
エラはりの強い人は11万、軽い人は44,000円
リスクと副作用
人由来の血清アルブミン(加熱済み)が含まれています。クロイツフェルトヤコブ病または未知の疾患で、熱しても生き残る血液を媒介とする微生物についての安全性は担保されません
お顔の表情が気に入らない場合があります。 眼瞼下垂、眉毛下垂、閉瞼障害、眉挙上、エラの場合凸凹が見えるなど
アレルギー 抗体を身体が作ると効かなくなります。アナフィラキシーショックが添付文書に記載されています
薬の効果が必ず消えます。
妊婦、授乳婦、神経筋障害のある人には治療できません。