海外旅行時には狂犬病予防接種を
おやおやDr.筑田は最近物書きに目覚めたらしい。気がついたら、狂犬病のレポートが届いていました。いつもは少々美夏Dr.が手を入れるのですが、本日はもう遅くなったので、そのままコピペしてアップいたします。それでは筑田Dr.よろしくお願いいたします。
日本で36年ぶりに狂犬病の発症があったとニュースが有りました。 この方は8月の末ころ旅行先のフィリピンで犬にかまれて感染したと見られています。 11月に帰国し、感冒様の症状があり、その後のどの痙攣などを認め、国立感染症研究所で16日に狂犬病ウイルスを検出して確認されました。
狂犬病は感染した野生動物、または犬に咬まれた際に傷口からウイルスが入り、1-3ヶ月の潜伏期を経て発症し、発症後の死亡率はきわめて高い感染症です。 狂犬病との名前から犬に咬まれた時に起こる病気と思われがちですが、感染動物はアライグマ、コウモリ、ネコ、ネズミ、狐など多種にわたります。
日本、イギリス、台湾、ハワイ、オーストラリアでは狂犬病は根絶したとされていますが、中国、ロシア、ヨーロッパなどのユーラシア大陸、東南アジア、南北アメリカ大陸、アフリカ大陸への旅行では野生動物、犬との接触で狂犬病感染の危険があります。
特に南米での吸血コウモリによる家畜の被害が大きな問題になっています。
狂犬病は日本では忘れ去られたような存在ですが、一歩日本を出ると必ず注意しなければならない感染症です。
2回の予防接種で感染を防ぐことができます。海外旅行先によっては前もってワクチン接種を済ませておきましょう。もし、予防接種をしていかず、現地で狂犬病が疑われる犬に咬まれた場合には直ちに狂犬病ワクチンを打ってもらい、可能であれば抗狂犬病グロブリンの投与をしてもらう必要があります。 発症後は特別な治療法は無く、死亡の危険が極めて高いことを認識しておく必要があります。
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これには後日談があります。狂犬病の患者さんがマスコミに出てから、狂犬病のワクチンが手薄になり、一般の患者さんにはほとんど手に入らなくなりました。もともと免疫の仕事をしていた筑田先生によれば、量を増やすのはそんなに難しい話ではないといいます。でも、メーカーは大変なんだとおっしゃいます。筑田先生の部屋で製造方法についてメーカーの人と議論をしている声がしていました。
ただ、NGOや自衛隊などの人の分はきちんと確保されているそうです。その方たちはリスクの回避ができるそうです。この追記は美夏Dr.によるもので、2007-11-08記載です。