一昨年 インフルエンザに対してどのようにマスクが効果を持つかについて書きました。筑田DR.の原稿です。大事なことですので再掲しますね。
インフルエンザの感染は、インフルエンザウイルスが気道から入り、その場で増殖する事から始まります。 感染源となるウイルスは、すでに感染している人の咳,くしゃみで周囲に飛び散った微小水滴(エアゾール)として空中にまき散らされます。
ウイルスのひとつひとつがフリーの状態で空中に撒き散らされるのではなく、くしゃみ、咳で感染能力のある様々なサイズの水滴となって広範に撒き散らされる事になります。
この水滴(エアゾール)を吸い込んで感染することを、飛沫感染といいます。大体このエアゾールが5μmくらい。
空気中でウイルスを含んだ水滴は少しずつ水分が蒸発して飛沫核とよばれ、長く空中に留まっています。この飛沫核を吸い込んで感染することを、空気感染(飛沫核感染)といいます。 インフルエンザウイルスの粒子そのものは、0.08-0.12μmと言います。するとウイルスのサイズからすると、すでに紹介済みの高性能マスクN95でもウイルス粒子の通過をブロックできません。
咳エチケットの趣旨はインフルエンザ感染者が感染源であるウイルスをまき散らさないことにあります。
感染者が最初にはき出すウイルスをたくさん含んだ大きな飛沫を広めないようにしようという「エチケット」!!
マスクを感染予防に使用する目的は、気道粘膜というバリアの保護に役に立つこと、またフィルターとして病原体をブロックすることの二つにあります。 気道経由でのウイルス感染が成立するには、吸入したウイルスの量が一定以上ある、つまりウイルスを含むエアゾールのサイズがある程度以上で、吸入量が多い事が重要なのです。
N95は、ウイルス含飛沫核も95%以上をマスク上でブロックし、感染成立に必要なウイルス量が気道内に侵入することを防ぐ事が出来るので、予防としてはかなりの効果があると考えられます。SARSのときに実証されています。未知のウイルス感染症や、ワクチンの対応ができない新型インフルエンザに対してはN95はウイルス透過を下げる感染予防として推奨されます。
普通のマスクであっても、1、気道粘膜のウイルスに対する防御力(バリア機能)を個体として保つ。2、自分が感染してしまったウイルスを飛沫核として外部へ放出しない。の二つの目的には敵います。 普通のマスクで、インフルエンザ発症率が下がっているっていうウェブサイトはこちらでしたhttp://www.unicharm.co.jp/company/news/2007/07nov-1.html