昨日は武蔵野市医師会の講演会、国立感染症研究所情報センターの岡部信彦先生による「新型インフルエンザ対策について」を聞いてきました。先月ウイルス感染症研究会でも、新型インフルエンザの講演を聞きました。講演会が多いことからも、緊急性と重大性が感じられます。
流行る前に出来ること(1) 自分のために
新型インフルエンザって、今心配されている高病原性鳥インフルエンザに類似しているかもしれないが、全く違うかもしれない。新型フルのウイルスが、一体どんなウイルスか本当の所は誰にもわからない。
敵の本当の正体を知るのは敵が現れてからの話になるかも知れないが、自分を防御するのは今からでも出来る。方法は二つ。
1、基礎疾患(もともとお持ちの疾患)の状態(コントロール)を良くする。
元々のご病気に加えて感染症にかかると、身体への負担と危険はとても高くなります。ましてや医療機関が新型インフルエンザで、てんやわんやになっていれば、通常と同じ治療が受けられるかどうかは心配です。慢性疾患の治療は、ご自分の為に、良好な状態に保っておいた方が良いと思います
2、他の感染症との重複感染を避ける ために、可能な予防接種を受けておく
新型インフルエンザでは、人口の1/4の感染が見込まれています。その時にたまたま麻疹(はしか)にかかったとか、水痘や普通のインフルエンザも流行っていれば、診断も大変ですけれど身体のリスクもとても高くなる。予防できる病気、ワクチンの出来る疾患は、予防接種をお勧めします。(麻疹、肺炎球菌、水痘、HIBインフルエンザ桿菌など Hibは12月から)
とくに普通のインフルエンザのワクチンは、70%発症を予防します。
本年の普通のインフルエンザワクチンは前年度とはタイプがすべて変更されています。 (Aソ連型、A香港型、B型の3種類がインフルエンザの大きなタイプ分けですが、そのすべてが昨シーズンの後半に増えてきたタイプを元に作られた不活化ワクチンになっています。) 今月にはいって、東京でもインフルエンザの患者さんを拝見するようになってきています。 早めにインフルエンザの予防接種をお受けになるようにお勧めしています。
このシリーズは、感染症研の岡部先生のご講演をもとに石井美夏が文章を作っています。文章の責任は石井にあります。