本日は肺炎球菌ワクチンについてです。昨夜医師会の予防接種講習会に出席しました。ほやほやのニュースです。瞼の記事が遅くてすみません。
肺炎球菌は、高齢者では肺炎、幼少児では髄膜炎の起炎菌として重要です。 大人に対しては、ニューモバックスという肺炎球菌ワクチンが2006年10月より使用されてきました。
1)肺炎球菌ワクチンの再接種が推奨されるようになりました。つい最近まで、1生涯に一回のみの接種とされ、実際には5-10年でだんだん免疫が下がるので、少々現実的ではありませんでした。今回変更があり、日本感染症学会では再接種のガイドラインなんてのも出ています。
2)武蔵野市の助成が受けられます。武蔵野市民で65歳以上の方は、肺炎球菌ワクチン接種に市よりの助成を受けられます。平成22年度枠は4月より可能です。 ただ21年度枠は新型インフルエンザの流行もあって2000人分の助成枠が設けられたため、まだ200人足らずの余裕があるそうです。
65歳以上の市民で今まで公費負担で接種をした事のない方は武蔵野市健康課(51-0700)へ、生活保護受給世帯で65歳以上の市民の方は生活福祉課(60-1848)へはがきか封書でお申し込みください。
3) プレベナーという小児用ワクチンが2月24日に発売開始されます。免疫の未熟な乳幼児にも有効なんですって。このワクチンで予防可能な疾患は肺炎球菌(4,6B,9V,14,18C,19F,23F)による感染症です。肺炎球菌が起炎菌となる小児の感染症には、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎、肺炎、敗血症、細菌性髄膜炎などがあります。特に細菌性髄膜炎は死亡率も、後遺症の頻度も高い。
原稿を書くにあたって、専門外の私がパラパラと細菌性髄膜炎のガイドラインというのを見ました。診断が難しそう、治療が難しそう、時間との競争っていう感想を持ちました。その細菌性髄膜炎の起炎菌の上位2つが肺炎球菌とインフルエンザ桿菌なんですね。プレベナーとアクトヒブでかなりの割合がカバーできるそうです。