関節は機械でも関節=蝶番です。
筑田Dr.の選んだイメージ画像です。
膝の変形性膝関節症の治療には、膝関節の使いすぎ(過剰な負荷)を減らすことが重要であるというお話をいたしました。その膝の負担を減らす方法として、1、体重を減らすこと。2、筋力強化ーーつまり運動療法3、使いすぎないが重要なわけです。
その上で、痛みを取る方法の一つに鍼治療をお勧めしています。
鍼治療について、8月15日にBMJから論文が発表されました。
タイトルはAcupuncture as an adjunct to exercise based physiotherapy for osteoarthritis of knee:Randomized controlled trial; Nadine E Foster 等によるものです。
要旨は以下のようなものです: 352名の変形性膝関節所と診断された患者さんを3群に分け、経過での疼痛減弱効果を比較しました。 3群の内訳は 1)疼痛軽減のためのアドバイスと運動療法、2)アドバイスと運動療法に鍼治療を加えた群と、 3)皮下に針を挿入しないコントロール群です。
結論は、6ヶ月の経過で全ての群で治療前と比較し疼痛軽減効果がみられた。 しかし、3群での疼痛軽減効果の差は軽度であり、鍼治療を運動療法に加える相乗効果は極く軽度に過ぎなかった。
この研究にはいくつかの問題点があります。
その一つは、この研究で鍼治療のための特定の使用ツボが決められていますが、鍼治療は個々の診断に基づいての治療が肝要で、ツボの組み合わせは個々で異なってきます。
その二として、施術の技量も大切な事があまり考慮されていない点があります。
誰が投与しても同じよな投薬治療のようなわけには行かないのです。 手術結果が術者によって異なるのと同じ事です。 また、治療コントロール群をどのように設定するのかも難しい点です。
いくつかの問題点はあるものの、この研究結果では、運動療法などの理学療法が慢性進行性変性疾患である関節症には大変有効である事、鍼治療が有効としても、運動療法を上回る効果は少ないと解釈されるのです。 鍼治療の有効性を無視する結果とは解釈できません。
その結果解釈には注意が必要と思われます。鍼治療がどうして効くのか、どんなメリットがあるのか、続きをお楽しみに