北京に行ってきました Dr.筑田
中国伝統医学(中医学、鍼灸治療)の研修旅行
3月17日から25日北京へ行ってきました。 中国へは中医学(中国の医学;日本や韓国の東洋医学に比べて中国の医学を強調したいときに使う言葉)の恩師馬先生が亀田総合病院から帰国なさる時ご一緒して、天津にお伺いして以来で8-9年ぶりでした。
北京でまず驚いたのは空気の汚染です。滞在期間中太陽を見たのは2日間のみ、日中でも物の影がうつらないような、奇妙な感じを覚えました。喉がヒリヒリ刺激され、排気ガスの臭いがして、かつて日本でも問題になっていた状況とそっくりでした。
研修は朝の8時から夜7時まで、昼食もゆっくりと楽しむ事も出来ない充実したものでした。 講師陣は中国各地からの名医総勢15名の豪華版で、一人3時間の講義と秘伝の技を示しながらの治療実技と合わせたもので、その効果に感心させられました。
名人の技は各自それぞれに特徴があり、今後の治療効果を上げるのに、大変参考になりました。
恩師の馬先生の鍼治療は患者さんに出来る限り痛みを与えない繊細な打ち方です。今回の先生方のダイナミックな鍼の打ち方よりも日本人には合っているように思いましたし、私も馬先生の方針を今後も受け継いで行こうと思いました。
自由時間は2日間有りましたが、1日は書籍探しに費やし、残る1日は博物館巡りと、北京の表と裏道を見て歩き、中国の歴史、文化の底知れない大きさを肌で感じることが出来ました。
中国では西洋医学と中国伝統医学を結びつける方向で医療が進んでいます。
日本の医学部でも漢方がカリキュラムとしてようやく始まりました。鍼治療の効果も海外からエビデンスとして報告されていますので、医学部での鍼治療に対する教育も早急に始めてほしいものだと思います。
美夏クリニック http://www.mika-clinic.com
例えば痛みの治療について
勿論原疾患の鑑別診断が一番重要です。
その上でNSAIDS(非ステロイド系消炎鎮痛剤)は、胃潰瘍などの消化管障害や薬疹などの過敏症のリスクがあります。ブロックは鍼の治療に似ている点がありますけれど、やはり薬物を使います。
鍼の治療の適応があれば、鍼治療は副作用がなく、安全に治療できるメリットがあります。
色々な治療法がある中で、西洋薬や漢方薬に加えて、鍼治療という選択肢があることは、ツールが多いという意味でもよいことだと思います。
posted at 2007/04/04 13:46 | kojitomika |
permalink/全文表示 |