漢方の世界は、西洋医学になじんできた医者や看護婦には、ブラックボックス。このところ、Dr.筑田に教えてもらって少しずつはわかったような気がするけれど、それでも結局なにやら雲をつかむようなーーー。
DR.美夏 「どうやら気、血、水とかが東洋医学で重要な概念らしいことは分かった。だけど、それってなんなんだかもう少し教えてくださいな?」
DR.筑田 「東洋医学の世界で病気や健康の状態を把握するには、患者さんの【気、血、水】の状態で判断するんだ。この3つが体内をバランスよくめぐっている時には、人は健康な状態でいられる」
Dr.美夏 「わかんない。もう少し分かりやすく教えて」
DR.筑田 「【気】は元気の気、やる気の気。自然現象や物事を動かす原動力(エネルギー)を意味する。」
「中国の痩せ薬で、甲状腺ホルモンの入っていたのがあっただろ?どうして甲状腺ホルモンが痩せるのに効くかというと、このホルモンをのむとやたらに動きまわり、頭の回転も速くなり、活発になる。つまりエネルギーを消費しすぎるんだ。
それが身体全体のレベルだけでなく、細胞のような小さい単位でもおこっている。だからこそ痩せる。
それと同じように、気が高まっている状態は医者の言葉でいうと、代謝が高まり、エネルギーに満ちあふれている状態だと思えばいい。良い状態って訳ではないんだ。これは過剰な状態であって、健康な状態ではない。ここが重要なんだ。
逆に甲状腺ホルモンの欠乏状態では肉体、精神活動も鈍くなり全体にむくみ、活動が低下するので、ひと目で診断がつく。これが気が不足または低下している状態と考えれば理解しやすい。」
「ふーん、じゃあ【気】が欠乏している時には、甲状腺ホルモンを処方すればいいんだ」と、突っこもうと思いましたが、真面目なDR.筑田にまた怒られると、言いそびれました。また続きをお楽しみにね。