ニキビダニという皮膚の常在菌がいます。ダニですので、「菌」というのはあまり適切ではないかもしれません。このニキビダニは、にきびの鑑別診断に重要です。ニキビダニはアクネ桿菌やマラセチア同様、皮脂の好きなムシです。
若い女性で皮脂分泌がやや過剰な方の、毛穴に詰まっているコメドを、顕微鏡で拝見すると、たいていの場合ニキビダニがいくつか見つかります。教科書的には、おろしわさびのような形と言われます。顕微鏡で拝見すると、ちょっとごつごつしていて、足が動く。たしかに昆虫です。
看護教育を受けてきたはずのナースでもたいていは、自分の皮膚にニキビダニがもぞもぞ動いていると、想像したことは無い。
美夏クリニックに来てくれたナースに、この動いているニキビダニを見せると、結構反応が人によって異なっています。「きゃあ!気持ち悪ーい」と汚いものを見たようにぞっとしているというのが、ひとつのパターン。もうひとつが 「えー!動いている。面白い。こんなのいるのね、見せて見せて」。
美夏Dr.も虫愛ずる方なので、結構面白くて顕微鏡に向かう時間が長くなります。
皮膚の常在菌は、300種類近くもあるそうです。ひとの皮膚の表面で、その300種類がそれなりのバランスをとって、ひとつの世界を作っています。こちら
常在菌が悪さをするのは、皮膚の恒常性(バランス)が崩れた時。
ニキビダニを例にとれば、外用ステロイドの量が多くなったときが一番頻度が高い。オイルクレンジングを使っていらっしゃる方で、時にニキビダニが増えちゃっている方も時に拝見しますけれどーーー。
posted at 2007/04/06 21:04 | kojitomika |
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