1年ほど前にデカ社のフラクショナル炭酸ガスレーザーを導入しました。お花を生ける剣山のように点々と炭酸ガスレーザーを打ち込みます。マドンナリフトとも呼ばれます。
フラクショナル炭酸ガスレーザーは、エコツーはじめいくつかの機種があります。
マドンナの特徴は、熱がじわりと入る、比較的浅い層で削っている(深くも可能)、設定がかなり自由なので使い方に巾がある。の三点です。
熱が入るのは、皮膚の引き締めに効果的ですし、反面入れすぎれば(パルス幅を長くすれば)ダウンタイムが長くなります。
ニキビ跡と毛穴には、他の機械では出せない結果が炭酸ガスフラクショナルレーザーでは得られるので、魅力的です。
大体3-5日かさぶたが付き、2か月毎に数回が標準的な治療ですが、当院では半年に一回の人もいます!ニキビ跡には、瘢痕の角をTCAピーリングか普通の炭酸ガスレーザーでなだらかにする治療と併用する方が良いと思います。
前後の写真について ニキビは、毛穴の詰まりから始まり、赤い炎症を起こしたニキビ、赤から紫のニキビ跡の色、最後に凸凹が気になります。
写真の左では、まだ赤い炎症後の色素沈着が目立っています。時間と共に炎症はおさまり、肌の色は白くなってゆきますので写真の変化のうち色はフラクショナルレーザーの施術の結果ではありません。写真が小さくて分かりにくいかもしれませんが、でこぼこが少しずつ滑らかになっているのが分かるでしょうか?それがフラクショナルレーザーの結果です。ただ 段差の大きいクレータ―などはフラクショナルレーザーだけでは不足です。ちょうど階段の段の部分はやはり直接削ってやる方が影ができにくい。
当初ニキビ跡の凸凹には私はTCAという深いタイプのピーリング剤で段差を削る治療を施術していました。結果は悪くないのですが、それでも傷が治る過程で瘢痕拘縮と言い、丸い形で縮む時期があり、年齢の高い人では皮膚のハリがないので結果が出ない。頬を引っ張ってやるとでこぼこは目立たなくなりますよね?炭酸ガスレーザーの熱を加えることで皮膚の表面積を縮めながら角を落としてゆく方が、結果が出やすいんです。傷は傷で治すことになるので、ニキビ跡のでこぼこの治療は、患者さんの我慢が必要になります