帯状疱疹は、こどもの水ぼうそうのウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)が再活性化して、身体に帯状の水疱をつくる病気です。症状は強い人から軽い人までいますが、その時だけでなく後々まで痛みが強く続く場合があり、辛い病気です。帯状疱疹は、水痘ワクチンの接種で、発生率、慢性化する疼痛の発生率、重症度も50-67%減少します。 こちら 基礎疾患のある方や高齢の方は検討されると良いと思います
水ぼうそうにかかると、身体中の神経節に水ぼうそう(水痘)のウイルスが住み込みます。普段はその人の免疫がウイルスを神経節のなかに押し込めて活動させないようにしていますが、たまたま疲れが溜まったり、癌や高齢化などで免疫が下がった時に再活性化して、症状を出します。全身に皮膚の症状が出る水ぼうそうと異なり、一つの神経節からその神経に沿って帯状に皮膚症状が出ることが多いので、帯状疱疹と言います。
最初に痛みなど神経の症状が出ます。赤い発疹が出た後で水疱がでてきて、それがただれてかさぶたとなって直ってゆきます。痛みに対して、温めたりお薬をつかったりブロック注射をしたりします。後々まで残る痛みは、帯状疱疹後神経痛と言います。現在ではリリカなどの薬剤がありますが、辛い痛みで苦しまれる患者さんもいらっしゃいます。
水ぼうそう(水痘)の予防に水痘ワクチンが定期接種となったのは2014年のことです。
そして同じワクチンが帯状疱疹の予防に2016年に認可が取れました。(定期接種というのは、自治体の負担で受けられるワクチンのことです。帯状疱疹の予防には現在のところ任意接種という自費の診療になります。) 2008年に筑田Dr.が書いた記事は こちら
痛みの治療について 帯状疱疹の場合には消炎鎮痛剤やリン酸コデイン、トリプタノールなどの痛み止めをしっかり使って痛みを取ってやることが、後々の帯状疱疹後神経痛を軽くするために必要です。また、温めると楽になるので、ゆったり暖かいお部屋でお風呂に入りながらお過ごしになることをお薦めします。 ペインクリニックにおかかりになることもお薦めしています。
先日80歳を過ぎた方が帯状疱疹でいらっしゃいました。元々ほかの疾患でいらしていた方で、最初からワクチンをお薦めしていればよかったと、とても申し訳なく思っています。もし記事がお役にたって、痛みで辛くなる人が減るようにと願って書きました。