そうそう、思い出した話題があるので帰宅前に一つ書きます。
それは「春から夏はカビの季節」--当然皮膚科では抗真菌剤の投与量が増えます。
マラセチア(癜風)という皮膚の常在菌があります。常在菌なので人と共存しているか、ひょっとすると皮膚を守っているのかもしれないカビです。
マラセチアは脂が大好き。脂の多い時期、脂の多い場所では増えてしまいます。それでマラセチアと関係が深いとされている皮膚の疾患が3つあります。脂漏性皮膚炎とマラセチア毛包炎、癜風です。
マラセチアについてまとめて書いた記事はこちら
この時期から夏にかけて皮膚が毛穴ごとにざらざらして、赤みを帯び、場合によって痒くなる方がおいでです。髪の生え際や鼻、眉頭付近、鼻の横(下瞼のちょっと内下方)が赤くてざらざらしています。
特にもともとやや毛穴の目立つ肌質で、オイルクレンジングとオイル量の多いリキッドファンデをお使いの方に多いように感じています。 抗真菌剤ですっきりすることが結構あります。多分マラセチアが増えすぎているーーー。
そうよ、ナースF嬢がそうだった。足し算で丁寧に丁寧にたくさんしていたお手入れをすべて辞めて、単純で引き算のお手入れにしたら、日ごとに良くなってきた。本来の彼女の皮膚に戻るのに1年かかったし、まだ鼻に名残りがあるけれどーーー。
そうそうカビって嫌な印象があるでしょう?でもね、とてもカビって美しいのです。
イトリゾールを出しているヤンセンファーマで以前発行していたMycology Newsという雑誌があります。これの表紙がいつもとても美しいカビの写真でした。あんまり美しかったので、お見せしたいとインターネット上で似た画像を探したのですが、見つからない。残念です。スキャナでという訳には行かないからーーー。カマンベールチーズの画像で我慢してね。
リンクしてよいのかどうかわからなかったのですが、「北海道ネイチャーグラフィックマガジンfaura13号」で検索すると、美しいカビの画像が探せます。